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語らう
「語らう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
語らうの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、話のとおり日本橋のほうでは人目もうるさいし、何やかやとまだごたついて、ゆっくり
語らうこともできないところからして、こうして人世離れたこの寮へのがれて、しみじみ....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
すのだ。三人は東金より買い来たれる菓子|果物など取り広げて湖面をながめつつ裏なく
語らうのである。 七十ばかりな主の翁は若き男女のために、自分がこの地を銃猟禁制....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
彼等も別に余が事には心を留めざりしならん、判事は書記に差図を与え目科は警官と密々
語らう最中なりしかば、余は咎められもせず又咎めらる可しと思いもせず、最平気に、最....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
たら、「林さん、お変りなくって?」と聞いていた。また例の蕎麦屋でビールでも飲んで
語らうぢゃないか。小島からこの間便りがあった。このごろに杉山がまた東京の早稲田に....
「三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
なりました。 その翌年の春さき、阮東は周家の令嬢素英と親しくなり、いつしか愛を
語らう仲になりました。けれども、それも一ヶ月ばかりの間で、素英から急に疎んぜられ....
「沼のほとり」より 著者:豊島与志雄
ました。 その午後の一刻、佐伯八重子は、山田清子の私室で、久しぶりに二人きりで
語らう隙を得ました。 室内には、さまざまなものが雑然と取り散らされていました。....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
たし、酔漢にジロジロ見られても、心ゆたかであったようだ。カストリ屋の主婦や女給と
語らうことも、けっしてキライではなかったのである。 しかし、記代子の新たな境遇....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
なし生涯相助けんことを誓いつつ、万《よろず》秘密を厭《いと》い善悪ともに互いに相
語らうを常とせり。されば妾は朝鮮変乱よりして、東亜の風雲|益《ますます》急なるよ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ゃ。時々は、淋しゅうもなる。わしとて、子と共に遊び、父のよい機嫌を見、奥と楽しく
語らう味を、知らぬものではない。然し、日本の前途を思うと、そうはしておれぬ。こう....
「書記官」より 著者:川上眉山
しが、書記官様と聞くよりなお一層敬い奉りぬ。 琴はやがて曲を終りて、静かに打ち
語らう声のたしかならず聞ゆ。辰弥も今は相対う風色に見入りて、心は早やそこにあらず....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
この贄川、いずれ劣らぬ山里かな、思えば思い做しにや景色まで似たるところありなどと
語らう。 贄川を立ち出でて猪の鼻を経、強石に到る。贄川より隧道を過ぐるまでの間....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
して今日の用事も忘れたる如く楽しげに食事をなして頻《しきり》にお登和嬢と何事をか
語らう様子。お代は腹立たしさに躍《おど》り込《こ》んで大原にしがみ付かんと思いし....
「三国志」より 著者:吉川英治
めと、泣いてみせているのである。 (――辛い。わたしは辛い。想っているお方とは、
語らうこともできず、こうして、いつまで心にもない人と一室に暮らさなければならない....
「三国志」より 著者:吉川英治
の嫡男|馬超が残っていた筈です。この人へわが君から密使をおやりなさい。いま馬超を
語らうことは至極たやすく、しかも馬超ひとりを動かせば、曹操以下三十万の精兵も魏一....