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語り
「語り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
語りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
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中村玄道《なかむらげんどう》はこう
語り終ると、しばらくじっと私の顔を見つめていたが、やがて口もとに無理な微笑を浮べ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
のです。それだけに今度はがっかりしました。何も男を拵《こしら》えるのなら、浪花節
語りには限らないものを。あんなに芸事には身を入れていても、根性の卑《いや》しさは....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
らで鶏《とり》が啼いて、予の夢はそれぎり覚めてしもうた。」
摩利信乃法師がこう
語り終りますと、今度は平太夫も口を噤《つぐ》んで、一しきりやめていた扇をまたも使....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
記憶」のような陳列室を見渡していたが、やがて眼を私の方に転じると、沈んだ声でこう
語り出した。
「その友だちと云うのは、三浦直樹《みうらなおき》と云う男で、私《わ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
二人はそれから行燈《あんどう》を囲んで、夜もすがら左近や加納親子の追憶をさまざま
語り合った。が、彼等の菩提《ぼだい》を弔《とむら》っている兵衛の心を酌《く》む事....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
恋だって、あんまり莫迦《ばか》げている。僕たちが若竹へ通った時分だって、よしんば
語り物は知らなかろうが、先方は日本人で、芸名|昇菊《しょうぎく》くらいな事は心得....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
るせはいとのしょうまさなり》や土井大炊頭利勝《どいおおいのかみとしかつ》へ問わず
語りに話しかけた。
「とかく人と申すものは年をとるに従って情《じょう》ばかり剛《....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
は、何よりも上《かみ》へ対し奉り、申し訣《わけ》のないことと思って居りまする。」
語り終った三右衛門はいまさらのように頭《かしら》を垂れた。額《ひたい》には師走《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
圧倒された。彼はしまいには砂に伏して、必死に耳を塞《ふさ》ごうとした。が、自然は
語り続けた。彼は嫌でもその言葉に、じっと聞き入るより途《みち》はなかった。
湖....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
* *
「秋山図の話はこれだけです」
王石谷《おうせきこく》は
語り終ると、おもむろに一碗の茶を啜《すす》った。
「なるほど、不思議な話です」
....
「墓」より 著者:秋田滋
またしても嘲罵の口笛が起った。 けれども、彼は、動ずる色もなく、心もち含み声で
語りだした。始めのうちはその声はやや低かったが、喋ってゆくにつれて、それもだんだ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
一の大学者とならんと一詩をのこして新潟の学校を去り在所にかえりて伯父に出京の事を
語りしに、伯父は眉を顰め、「東京にて勉学の事は我も汝に望むところなり、しかしまだ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
「ねえ、伯母さま、恋のお話をして下さいな」 すると私の母は、たわむれに、昔から
語り伝えられて来た、一家のさまざまな話、先祖たちの火花を散らすような恋愛事件をの....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
う、一、二の点について自分は疑問をもっていると言った。 「おっしゃる通りです」と
語り手は言った。「そのことにつきましては、わたくし自身、半分も信じてはいないので....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
かいい女だった。 老人夫婦が代って自分たちの永い永い間の心痛と苦労のかずかずを
語りおわると、親子はもう一度抱き合った。その晩は、いつまでもいつまでも起きていた....