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語り手
「語り手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
語り手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「喝采」より 著者:太宰治
よう一心に希望して居ることを言い添え、それでは、私、御指命を拝し、今宵、第一番の
語り手たる光栄を得させていただきます。(少し前置きが長すぎたぞ! など、二、三、....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
で流れてきたという感じの浪花節《なにわぶし》で、虎髭《とらひげ》を生《はや》した
語り手が苦しそうに見えるまで面を歪《ゆが》めて水戸黄門様の声を絞《しぼ》りだすの....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
ぬこと、実は波野と二人してこの怪談を先達てある者から聞いたので厶ります。その折、
語り手が申しますのに、これから先うっかりとこの怪談を人に語らば、話し手に禍いがか....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
はストレーヴン氏(彼の名を正確に発音できる土人は少かった)或いはツシタラ(物語の
語り手を意味する土語)が、富豪であり、大酋長《だいしゅうちょう》であることは、最....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
、たしかに猫の声を聞いた。この部屋の戸棚の上に。……だが猫の姿も見えなかったし、
語り手の姿も同様に全く見えなかった。二人の前に見えるのは、ビーカーから高くたちの....
「金属人間」より 著者:海野十三
造する見込みのつきたる日しるす 理学博士 針目左馬太《はりめさまた》 次の
語り手 右にかかげた日記ふうの感想文は、その署名によって明らかなとおり、針目博....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
話が残っている」 「なんですって」 「僕から質問をしようかネ。それはネ、この話の
語り手はなぜこうも詳しく秘事を知っているのだろうかということだ。彼はまるでプライ....
「不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
どる。それを繰りかえしていたようだ。 然し、そのたびに、語り方が巧くなり、よい
語り手になっている。文学の内容は変っていない。それは彼が人間通の文学で、人間性の....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ズバリであるから、虎之介もキモに銘じるところがあったらしい。けれども、新十郎への
語り手は重太郎と遠山。海舟への
語り手は虎之介。大そう違いがあるらしいのは計算に入....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
?」 「私かね」と男の笑声が云った。 「旅人なのだよ、この人の世の。……お伽噺の
語り手なのだよ。伝道者と云ってもよいかも知れない」 「妾ちっとも恐くないわ。知ら....
「講談先生」より 著者:坂口安吾
のように、と言うことだ。講談は語る人の性格があんまり出ない。フランス風の写実は、
語り手の性格が出すぎて、事物の実体をくらまし易いと思った。 近頃の例で言えば何....
「豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
時、彼女の贔屓連が催した義太夫会のおり、忠臣蔵が出たとき役々《やくやく》によって
語り手が違い、平右衛門など下手《しもて》から出て山台《やまだい》の下で語ったおり....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
語を大阪弁で語っている形式である。この二つの大阪弁の一人称小説を比較してみると、
語り手が一方は男であり、他方は女であるという相違だけではなく、まるで同じ土地の言....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
う、一、二の点について自分は疑問をもっていると言った。 「おっしゃる通りです」と
語り手は言った。「そのことにつきましては、わたくし自身、半分も信じてはいないので....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
同音に、いかにもそれは兄貴のいう通りだと相槌をうった。のみならずその多くは、この
語り手の弟なる人物は、まったく一点の非の打ちどころもない立派な紳士だと、太鼓判を....