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語感
「語感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
語感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
が汝の為にあれ)との祈りや願いを同時に意味し、日本の「さようなら」のもつ諦観的な
語感とは比較にならぬほど人間臭いし明るくもある。「さようなら」とは、さようならな....
「黒猫」より 著者:島木健作
すうちに本当に嘔吐をもよおして来た。膃肭というような文字そのもの、ハーレムという
語感そのものが、堪えがたくいやらしかった。 オオヤマネコに感動してまだ幾日もた....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
諸科学に於ては概念の背後に経験が把捉されていねばならぬし、哲学などに於ては概念は
語感(それは日常生活の体験としての言葉と結び付く)に制約されている(常識に就いて....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
会科学的用語でなくして、従来の文学的方言にすぎない。 尤も現在、民衆と人民では
語感が異っている。そして文学的用語としての民衆は政治的用語としての人民とは全く別....
「外来語所感」より 著者:九鬼周造
においていささか欠けるところがありはしないだろうか。 第二の反対理由は、特殊な
語感が日本語では出ない場合があるという点である。たとえば「デー」は「日」よりも、....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
るので、「空しきものと知る」というだけでも、当時にあっては、深い道理と情感を伴う
語感を持っていただろう。一口にいえば思想的にも新しく且つ深かったものだろう。それ....
「水の女」より 著者:折口信夫
どの聯想が起らずにはいない。ときどきは「生立」に疑いを向けて、「水沼間」の字面の
語感にたよって、水たまり・淵などと感じるくらいにとどまったのは、無理もないことで....
「台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
多くの河は、何々河と称せず、何々溪と称するが、言葉の起源は別として、この溪という
語感は東部の河にぴたりとあてはまる。大きな河としては殆んど唯一の呼称たる淡水河が....
「上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
今では、文化的に、上海に比ぶれば田舎町の感じがするからである。そして上海にこそ、
語感が互に通じ合い親しく語り合うことが出来そうな未知の友人が数多くいそうな感じが....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
二度は詩をつくったことがないでもないが、散文を書きなれた私には、圧縮された微妙な
語感はすでに無縁で、語にとらわれると、物自体を失う。物自体に即することが散文の本....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
好きで、日曜には専門棋士や同好の知人を招いて、碁会を催したりしている。その天元の
語感から、一脈の糸を引いて、紹興のことが浮んできた。――料理店紹興は、地名から来....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
のを作ってもしかたがない。要するに、現代生活に秩序と品位とを与えるような、正しい
語感の要求に応えなければなりますまい。 この角度から、現在、国語教育がどんな風....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
「そうだ」の感じが出ないし、といって「そうだ」と書けば東京弁の「そうだ!」の強い
語感と誤解されるおそれがある。だから大阪弁の「そうだ」は文字には書けず、私など苦....
「回想録」より 著者:高村光太郎
とでもある。現在でも、私はものを書いたりする場合に、母のそれを思い出したりして、
語感の上に非常に役立っているのを感じる。決して使えない言葉がいろいろあって、それ....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
的に見た短歌としては、ある点まで完成に近づいたものと言えよう。平明派であり、日常
語感を重んじる作家としての子規である。古語の使用は、一種の変った味いの為の加薬に....