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語気
「語気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
語気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
「先ほど電話をかけましたが、――」
「その後《ご》何もなかったですか?」
陳の
語気には、相手の言葉を弾《はじ》き除《の》けるような力があった。
「何もありませ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の勝敗から口論をした。その時分から冷静な兄は、彼がいくらいきり立っても、ほとんど
語気さえも荒立てなかった。が、時々|蔑《さげす》むようにじろじろ彼の顔を見ながら....
「或る女」より 著者:有島武郎
お思いになって」
まるで少女のような無邪気な調子だった。古藤はほほえんだらしい
語気で、
「そんな事はもうあなたのほうがくわしいはずじゃありませんか……心《しん....
「或る女」より 著者:有島武郎
自分の言葉は稜針《かどばり》で、それを倉地の心臓に揉《も》み込むというような鋭い
語気になってそういった。
「全く忙しかった。あれからわしはお前の家には一度もよう....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
い」と答うる歯の音も合わず、そのまま土に頭《こうべ》を埋めぬ。 巡査は重々しき
語気をもて、 「はいではない、こんな処《ところ》に寝ていちゃあいかん、疾《はや》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
。癪に障ればったって、恐い事、何あるものか、君の母親が何だ?」 と云いかけて、
語気をかえ、 「そう云っちまえば、実も蓋もない。痛くない腹を探られるのは、僕だっ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
みならしただけで、応えなかった。 「どうしたんだ。黙っていちゃ分らん」 警部の
語気が荒くなった。でも三津子は口を開こうとしない。 「ちょいと君、大寺君」と検事....
「火星兵団」より 著者:海野十三
なるほどの連発だ。
「そこだ、私のたいへん心配しているところは」
と、課長は、
語気を強めて言って、
「だからこれは、ひょっとすると、千二が途中で例の怪人丸木に....
「火薬船」より 著者:海野十三
うな声で、返事をした。 「へえじゃないぞ。いそいで、ここへ上ってこい」 船長の
語気は、一語ごとにあらくなっていく。 (船長め、どうしたのかナ) 竹見は、白刄....
「怪塔王」より 著者:海野十三
小浜兵曹長は、はげますようにいった。 「はい。やります」 青江三空曹は頼もしい
語気で、言葉すくなに答えた。そして、操縦桿をさらに手前へひいたのでした。 機は....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
てくれるのに、吾はなぜ早く死なんのかな。」 お貞は聞きて興覚顔なり。 時彦の
語気は落着けり。 「疾く死ねば可いと思うておって、なぜそんな真似をするんだな。」....
「風波」より 著者:井上紅梅
大赦はいずれそのうち、どうしてもあるはずです」と七爺のそう言ってしまうとふと急に
語気を荒くした。 「だがお前の家の七斤の辮子はどうしたのだ。辮子は? これはどう....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
た。 「仕ようがないねえ。」 顔を見合せたのが二三人、談判委員もちと案外という
語気で、 「呑気にどうも軍鶏と談なんかしていられちゃ困りますよ、ちょこまかした事....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
のである。 「お邪魔をしました。」 八郎が剥身屋の親仁に軽く会釈をしたが、その
語気は、故郷人に対する親みぶりか、かえって他人がましい行儀だてだか、分らないうち....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
天分がないと謙下りながらもとかくに大天才と自分自身が認める文豪をさえ茶かすような
語気があった。万更文学の尊重を認めないどころか、現代文化における文芸の位置を十分....