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誤
「誤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
は妖魔の類《たぐい》、釈教は堕獄の業因《ごういん》と申したが、摩利信乃法師一人の
誤りか。さもあらばあれ、まだこの上にもわが摩利の法門へ帰依しょうと思立《おぼした....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
に傘《かさ》をかざした平太郎の姿に欺かれて、粗忽《そこつ》にもこの老人を甚太夫と
誤って殺したのであった。
平太郎には当時十七歳の、求馬《もとめ》と云う嫡子《ち....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
》が、見る見る中に吹きつくしてしまった事を意識した。あとに残っているのは、一切の
誤解に対する反感と、その
誤解を予想しなかった彼自身の愚に対する反感とが、うすら寒....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
とにこの水の音をなつかしく聞くことのできるのは、渡し船の中であろう。自分の記憶に
誤りがないならば、吾妻橋《あづまばし》から新大橋までの間に、もとは五つの渡しがあ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
い、わたしの主張を容《い》れてくれる婦人雑誌もあるはずですから。
保吉の予想の
誤らなかった証拠はこの対話のここに載ったことである。
(大正十三年三月)....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ある。君はどう云う史料に従って、研究されるか、知らないが、あの戦争については随分
誤伝が沢山あって、しかもその
誤伝がまた立派に正確な史料で通っています。だから余程....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
共に、蹲踞《そんきょ》してお手打ちを待ち居りしに、上様には大きに笑わせられ、予の
誤《あやまり》じゃ、ゆるせと御意《ぎょい》あり。なお喜左衛門の忠直《ちゅうちょく....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
からだ。しかし己はすべてのお前の行為を是認してはいない。よく己の顔を見ろ。お前の
誤りがわかったか。これからも生きられるかどうかはお前の努力次第だ。
Aの声 己に....
「少年」より 著者:芥川竜之介
残酷《ざんこく》な現実を承認した。海を青いと考えるのは沖だけ見た大人《おとな》の
誤りである。これは誰でも彼のように海水浴をしさえすれば、異存のない真理に違いない....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
用いずに、美とか真とか善とか言う他の標準を求めるのは最も滑稽《こっけい》な時代錯
誤であります。諸君は赤らんだ麦藁帽《むぎわらぼう》のように旧時代を捨てなければな....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
するものなり。……」
しかし少くとも常子だけは半年ばかりたった後《のち》、この
誤解に安んずることの出来ぬある新事実に遭遇《そうぐう》した。それは北京《ペキン》....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
が、それは大抵受取った感銘へ論理の裏打ちをする時に、脱線するのだ。感銘そのものの
誤は滅多にはない。「技巧などは修辞学者にも分る。作の力、生命を掴むものが本当の批....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
る大学者も活版職より出たり、必竟学問を字を習い書を読む上にのみ求めんとせしは我が
誤ちなりし、造化至妙の人世という活学校に入りて活字をなすべしと、弱りたる気を自ら....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
の心を知っている位か、否な、それ以上にも、貴女は私の心を御存知でしょう。私が前に
誤れる考を持っておったことも、今の考も、私の弱点も、私の自惚も、つまり私のすべて....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
様という方なのだ。さあ、こう申したら、お前もさぞ驚くだろうが、ちょっとした殿のお
誤りから、あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない破目に立到った....