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「誤診〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

誤診の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島木健作
真はまるっきり人相が変っています。子供の時は、ほんとうにかわいい顔でしたが」 「誤診ということもあるでしょうが、医者は詳しく調べたんですか」 「ええ、手足が痺れ....
愚人の毒」より 著者:小酒井不木
たのです。いままで嘔吐や下痢を伴うマラリアの例には一度も接したことがないのでつい誤診しました。もしマラリアだとわかれば、ただちにキニーネを用いますから、未亡人の....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
床家でない医学博士は、医者にして医者にあらずです。実際を知らないから飛んでもない誤診をやったり、治療の仕ぞこないをしでかすのです。しかし、ほんとうのことをいえば....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
のだった。すなわち、病院か家庭の檻禁室を逃亡した狂人か、さもなければ、全快という誤診の下に退院を許された者、もしくは、じっさい一時全快して医者を離れ、その後再発....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
かも知れぬが。これもやっぱり心配御無用。ほかの種類の病気と違うて。こいつばかりは誤診がわからぬ。一度「キの字」ときまるが最後じゃ。二度と出られぬ煉瓦の地獄じゃ。....
手術」より 著者:小酒井不木
大へん評判が宜しゅう御座いました。いくら名医と申しましても、やはり人間である以上誤診ということは免れ得ませんが、T先生は平素、念には念を入れる性質でしたから、滅....
惜別」より 著者:太宰治
ドクトルのお見立てでは、Pest の疑いがあり、絶望を宣告されたのですが、非常な誤診でした。お正月に数の子を食べすぎただけなんです。日本は、どうも、お正月にはか....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
れど、この才能が物を言うのも、バックに兄貴の威光があるからで、これがなくちゃア、誤診ばっかりやらかしているものですから、本当は看護婦だって、肚の中じゃア、なめき....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
ことになった。わたしの夢ははなはだ円かであった。卒業したら国へ帰って、父のように誤診された病人の苦しみを救い、戦争の時には軍医となり、一方には国人の維新に対する....
影のない犯人」より 著者:坂口安吾
んでもやるよ。並木先生は風呂番でもするんだね。お客の背中を流しにでるとムラムラと誤診するから、湯殿の裏で湯加減の調節でもしてるんだな」 さて狂六が、目下大問題....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
眼のかたきである医者征伐を標榜し、これに全力を傾注した。「眼中仁なき悪徳医師」「誤診と投薬」「薬価二十倍」「医者は病気の伝播者」「車代の不可解」「現代医界の悪風....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
るにちがいなく、従って自殺しても自殺だとは思われないからである。医師というものは誤診するために、神様がこの世に遣されたものであるらしいから、亜砒酸で死ねば必ずコ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
りな容だった。 はじめ、館の典医が、お風邪とかろく診たのは、まもなく、まったく誤診とわかった。 高熱はつづくばかりなので、医師も小首をかしげているうちに、病....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ヤの感染ならんか。――などという奇説まである。 重盛にこりて、こんどはぼくも、誤診や不用意のないよう、今から諸家の高説や史料の分析に何かと心がけておこう。 ....