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読みで
「読みで〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
読みでの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死までを語る」より 著者:直木三十五
ある。 十八 父が八十三歳にもなって、私が「死までを語る」を書いたのを
読みでもしたら 「宗一、ほんまか」 と、それだけで、三年位齢をとるであろうが、....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
紙数五枚となっていたのを幾巻か合わせるようになってこれを合巻と呼んだ。長いほうが
読みでがあるので合巻は歓迎された。草双紙とも絵草紙ともいったがそれはともに合巻を....
「伸子」より 著者:宮本百合子
と思うわ、佃は、関係のない人でしょう」 「そうは思えないね……佃さん、あなたもお
読みでしたろう……どうお考えです?」 伸子は、夫が答える顔を見ていられず、暗い....
「蠹魚」より 著者:宮本百合子
たらしい。恐らく末弟――私からは伯父に当る少年が、当時住んでいた米沢で、この本を
読みでもしたかと思われる。彼は、木綿の「裾細《すそぼそ》」(もんぺいのようで袴腰....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「そう言われてみると、思い当ったことがあります、西鶴の中にありますよ、皆さんお
読みですか、井原西鶴の書いた『諸国咄《しょこくばなし》』という本の中に、不思議の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
きな煙草は? そして、それを一日に何本お喫いになりますか。 9 本はいま何をお
読みですか。 10 あなたの養生法は何ですか。 11 もし、日課的に散歩なさ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ミッチェルの地理書とかいう位のものを読んだくらいのもので、発音は凡ていわゆる変則
読みであった。それから、普通科においても、経書や歴史は以前のものを用いたが、その....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
返り、何か牧羊神らしい表情を示した。 「ドストエフスキイ全集です。『罪と罰』はお
読みですか?」 僕は勿論十年|前にも四五冊のドストエフスキイに親しんでいた。が....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
と、傍らの本を取り、物憂そうに読み出した。あたりは灰色の黄昏であった。 「何をお
読みでございます?」 「うん」といったが元気がない。「珍らしくもない、武鑑だよ」....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
塚穴の中に蛇がいて、その蛇の中には糞《くそ》がある、という愚にもつかないことを音
読みでやっているだけのことなんです。こんなものにおどろいて消えてなくなるような大....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
《い》ぬは憂《う》し散るを見果《みは》てんかきつばた 世人《せじん》、イヤ歌
読みでも、俳人《はいじん》でも、また学者でも、カキツバタを燕子花と書いて涼《すず....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
て、康雄の落した新聞紙を拾い上げ、 「おお、やっぱり、ゆうべの殺人事件の記事を御
読みでしたか。実は、私が御たずねしたのも、この事件に就てで御座います」 康雄は....
「俳優への手紙」より 著者:三好十郎
者である。たとえば、万葉の正統の受継者は、訓古と模倣と形式だけを事とした中世の歌
読みでは無くして、却ってたとえば源実朝であり、たとえば橘|曙覧《あけみ》であり、....
「三国志」より 著者:吉川英治
先生には、よく六韜を諳んじ、三略に通ずと、かねがね伺っていますが、日々、兵書をお
読みですか」 などと雑談を向け始めた。 均は、つつましく、 「存じません」と....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、批判を吐く自由の場がない。 それが河原の落首となった。そして毎度、瓦版の立ち
読みでもするような人だかりをみたのであった。 中でも「建武記」に誌されている建....