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「読誦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

読誦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道祖問答」より 著者:芥川竜之介
さえもつづけている。が、不思議にも、そう云う生活のあい間には、必ずひとり法華経を読誦《どくじゅ》する。しかも阿闍梨自身は、少しもそれを矛盾《むじゅん》だと思って....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の白い手首にも水晶の数珠が光っていた。 「して、これまでに経文《きょうもん》など読誦《どくじゅ》せられたこともござるかな」と、阿闍梨はまた訊いた。 もとより何....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ンドで普及し、インドの人間を救ったのであります。 その次の像法の最初の五百年は読誦多聞の時代であります。教学の時代であります。仏典を研究し仏教の理論を研究して....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
は常に法華経をたずさえていた。彼は人跡稀れなる寒林に小院をかまえて、一心に経文|読誦を怠らなかった。 ある年、夜半にその院をめぐって、彼の名を呼ぶ者があった。....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
巻きあげられると、そこにはむらさきの小袖に茶宇の袴をつけた美少年が殊勝げに経巻を読誦している。高島屋ァとよぶ声がしきりに聞える。美少年は市川|左団次の久我之助で....
古狢」より 著者:泉鏡花
花御堂に香水を奉仕した、この三十歳の、竜女の、深甚微妙なる聴問には弱った。要品を読誦する程度の智識では、説教も済度も覚束ない。 「いずれ、それは……その、如是我....
死者の書」より 著者:折口信夫
寺―元興寺―から巻数が届けられた。其には、難波にある帥の殿の立願によって、仏前に読誦した経文の名目が、書き列ねてあった。其に添えて、一巻の縁起文が、此御館へ届け....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
当麻曼陀羅の説明に役立てようと言う考えなどはちっともなかった。唯、この時代によく読誦せられ、写経せられた簡易な経文であったと言うのと、一つは有名な遺物があるから....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
教家達とは自らその信仰状態を異にする気の毒さはいう迄もない。 僕はかの観音経を読誦するに、「彼の観音力を念ずれば」という訓読法を用いないで、「念彼観音力」とい....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
まっ直に白く昇った。 チーン、チーン。――かあかあ――と鴉が鳴く。 やがて、読誦の声を留めて、 「お志の御|回向はの。」 「一同にどうぞ。」 「先祖代々の諸....
式部小路」より 著者:泉鏡花
お困る。幸ひ貴老が見えてから、あの苦しむのが聞えないから……」 「私のその、御経読誦が、いくらか功徳がありましたもんでがしょう。」と、泣くより笑いというのである....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
当たり、そのはじめは心を用い意を注ぎてこれをなし、数回反復の後は口に任せて自然に読誦することを得るに至るも、この一例なり。その他、人の事業に習熟進歩することを得....
島原の夢」より 著者:岡本綺堂
巻きあげられると、そこにはむらさきの小袖に茶苧の袴をつけた美少年が殊勝げに経巻を読誦している。高島屋とよぶ声がしきりに聞える。美少年は市川左団次の久我之助である....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
人の事である。犬神人は五条坂に住んで、一方では祇園の神人であり、一方では毘沙門経読誦の声聞師であり、そしてその内職としては弦指に従事してつるめそ云云」とある。以....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
典だから昔からこの経には宗教的な神秘性が附与され、中の意味が判らないでも、これを読誦し、書き写し、または表題の題名を唱えるだけで現実生活上にさえ功徳があるものだ....