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「課役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

課役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
こえました。 「役儀によって面を改める。その天蓋《てんがい》をおとりめされよッ」課役の藩士だなとわかりましたから、しずかに天蓋をはねあげると、相手は深々と御用龕....
島原の乱」より 著者:菊池寛
して宗教的熱情は高まり物情次第に騒然となって来た。 「領主板倉氏の宗徒への圧迫と課役の苛酷さとは、平時も堪えがたし。今年の凶作をもって、如何にして之に堪えてゆか....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
助郷は天下の公役で、進んでそのお触れ当てに応ずべきお定めのものとされていた。この課役を命ずるために、奉行は時に伊那地方を見分した。そして、助郷を勤めうる村々の石....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
り高掛り物(金納、米納、その他労役をもってする一種の戸数割)の免除を願い、そして課役に応ずる百姓の立場をはっきりさせ、同時に街道の混乱を防ぎ止めねばならぬ、その....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
―これらの駅逓司の方針は、いずれも沿道付近に住む百姓と宿場の町人ないし伝馬役との課役を平等にするためでないものはなかった。多年の問題なる助郷農民の解放は、すくな....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
用いたのであっただろう。それゆえ、この歌に応えた、「檀越や然かもな言ひそ里長らが課役徴らば汝も半かむ」(巻十六・三八四七)という歌の例と、万葉にただ二例あるのみ....
言語は生きている」より 著者:中井正一
に走る力感)が加わると、「涯」(ハタテ)、それから「徴」(ハタラ)、「さと長ら我課役(エズキ)徴ばいましもなかむ」と云ったように、「遠くにポーンと徴発されて行っ....
間人考」より 著者:喜田貞吉
て、人民は国司の収歛誅求に堪え兼ね、当時生に安んぜずして自ら公民の資格を放棄し、課役を避けて僧となったものが天下三分の二の多きに及んだと三善清行は言っている。所....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ことでありましょう。浪人を雑役に使うとか、浪人に田地を開墾せしめるとか、浪人にも課役を宛てるとかいうことが、しばしば平安朝頃の記録にも見えておりまして、浮浪人と....
沙門と屠児」より 著者:喜田貞吉
沙門と屠児 喜田貞吉 三善清行の「意見封事」に、延喜頃の人民が課役を避けんが為に出家して、天下の民三分の二は皆禿首というの状態となり、しかも彼....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
扮して出家逃亡するに至った浮浪民の群である。延喜の時代において三善清行は、公民が課役を避けて逃亡し、為に課丁の甚だしく減少した事を極言している。彼は当時の天下の....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
格をしか認められなかった一階級があった。やはり水呑百姓の徒である。藩から賦課する課役役銀の如きも、普通の百姓の半額を負担させられたものであった。これすなわち身分....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
せられる境遇に陥ったのである。 これら浮浪の法師中にも、前項所述の在家の法師に課役規避の脱籍法師が流れ込んだと同じように、在来の浮浪民が安全なる隠れ家として流....
放免考」より 著者:喜田貞吉
に帰って、もとの大御財すなわち公民に立ち戻り、再び罪を犯すことなく、国民としての課役を奉ずべきことを申し渡され、烏帽子を賜わって放免せられるものであることが知ら....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
す。つまり郷里を逃亡するのです。またそうまでにはならないものでも、勝手に出家して課役のかからぬ法師となり、公民の戸籍から削ってもらう工夫を始めました。出家はすな....