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誹り
「誹り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
誹りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白くれない」より 著者:夢野久作
ぬ此世に善悪のけぢめ求むべき様なし。たゞ現世の快楽のみこそ真実ならめ。人の怨み、
誹りなぞ、たゞ過ぎ行く風の如く、漂ふ波にかも似たり。人間万事あとかたも無きものと....
「江戸川乱歩氏に対する私の感想」より 著者:夢野久作
何でもないにしても、私の方はナカナカそうは行きませぬ。「売名」「軽薄」「増長」の
誹りを免れない事は明白で、猟奇社はつまるところ面白半分に、横綱とトリテキを組み合....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
いる。そしてそれは、上流階級の間に広く行われているので、それは一切の悪名を、貧の
誹りを、除かれるに至っているから、おそらくそれはしばしば必要手段たるよりはむしろ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
紙を読みて、何某は剛毅なり薄志弱行の徒は慚死すべしなどいふ所に到れば何となく我を
誹りたるやうにおもはれて、さまざまに言訳めきたる事を思ふなり、かくまでに零落した....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
ずらに次々と付和雷同していくことは自重すべきで、みだりに俗説に従うことは不見識の
誹りを免がれ得まいと私には考えられるのである。そこで私の考えとしては、利休により....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
と経験はいつでも断言を吝まないのである。 これについて私は余計なことをと、他の
誹りあることをよく知りながら、ぜひともこの問題を解剖し解決しようためにその仔細を....
「古事記」より 著者:太安万侶
て、天下をお治めなさいました天皇の御陵を悉く壞しましたなら、後の世の人がきつとお
誹り申し上げるでしよう。しかし父上の仇は報いないではいられません。それであの御陵....
「三国志」より 著者:吉川英治
、世間は将軍をさして、わが女房を奪われたる人よ、と蔭口をきくであろうと、わが身に
誹りを受けるより辛く思われます」 「世間がおれを嘲うと!」 「董太師も、世の物笑....
「三国志」より 著者:吉川英治
ある。 案の定、郭図は次に起立して、 「いま曹操を討つのを、誰が無名のいくさと
誹りましょうぞ。武王の紂を討ち、越王の呉を仆す、すべて時あって、変に応じたもので....
「三国志」より 著者:吉川英治
自分と同じ漢室の宗親ですから、その国を奪うにしのびません。いわゆる同族相せめぐの
誹りも、まぬがれますまい」という点であった。 孔明の答は、それに対して、すこぶ....
「三国志」より 著者:吉川英治
|放縦の癖がついた時、これを正そうとして法令をにわかにすれば、弾圧を感じ、苛酷を
誹り、上意下意、相もつれてやまず、すなわち相剋して国はみだれだす。――いま戦乱の....
「三国志」より 著者:吉川英治
か視ていない復命をしたものです」 「……とはいえ、いま関羽を見殺しにしたら、世の
誹りは如何あろう?」 「誰が、一杯の水で薪車の炎を消し得なかったと咎めましょう」....
「三国志」より 著者:吉川英治
りません。さるをかえって恩賞にあずかりなどしては、丞相の賞罰あきらかならずなどと
誹りの因にもなりましょう。金品はしばらく庫内にお返しをねがって、やがて冬の頃とも....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
て」 「恋を讃美するかと思えば、女という女は、口を極めて悪くいう。猥らなら猥らを
誹り、さればとて、世帯持ちよく、貞女めかしたなども、女としてつまらぬもの。むしろ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
を見せて、 「ご家老。おはやくお臨み下さい。ご評議の席は、いつまで埒もなく、ただ
誹り口や争論ばかりで収拾もつきません。殿にも、唯ひたすら、あなた様だけをお力とし....