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諂う
「諂う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諂うの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
りあいを演じた。支配人は、工人が給料に未練を残して、逃亡もしない。受取るまでは、
諂うように仕事に精を出す。――平生の見方をかえなかった。 支那人は、命よりも、....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
中老までも誉めそやし、 ○「本当にえらいお人で、手も能く書く、力も強く、他は否に
諂うなどと申すが、然うでない、真実愛敬のある人で、私が此の間会った時にこれ/\云....
「令狐生冥夢録」より 著者:田中貢太郎
。中古より降って始めて多端を肇む。幣帛を焚いて以て神に通じ、経文を誦して以て仏に
諂う。是に於て名山大沢|咸く霊あり。古廟叢祠|亦主者多し。蓋し以ふの如き者に至り....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
へ来ても白法師。どうやらお山は白法師のために荒らされているようでございますなあ」
諂うように微笑したが、 「私のためには結句幸い。何んとそうではございませぬかな」....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
る。何か己の享けるはずでない事を享けるというような心持であった。クサカはまだ人に
諂う事を知らぬ。余所の犬は後脚で立ったり、膝なぞに体を摩り付けたり、嬉しそうに吠....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
席へよろめき帰ると、シルヴァーは私に内証話のような囁き声で言ったが、それは非常に
諂うような調子に私には思えた。―― 「あれぁとても正直者なんだよ、あのトム・モー....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
いたよ」 「どうしてでしょう? 解らないわ」 「一方で威張る人間は、それ一方では
諂うからさ」 「ああそうね、それはそうだわ」 「おれの何より有難いのは、生地で仕....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
張り上げると云ったものである。 「家財道具やお払い物、高く買います高く買います」
諂うように笑ったが「これはこれはお嬢様、綺麗な人形がございますな。お売り下さい買....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
ら最後のこの言葉は、四塚の姥をまどわしたらしい。 しばらくの間は黙っていたが、
諂うように声をかけた。 「黄金を下さると有仰るので?」 「やるよやるよ、背負いき....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
声が聞こえて来た。
「しかれどもただ、業のみ敬いて、誠の心うすければ、君に
諂うに近うして、君を欺くにも至るべし。本心より二心なく敬うを忠といえり、忠は己が....
「孔子」より 著者:和辻哲郎
第三の学問修養の自己目的性についての二章である。 (十五) 子貢曰く、貧しくして
諂うことなく、富みて驕ることなきは何如。子曰く、可なり、(然れども)未だ貧しくし....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
呆れたです。この時私はどこの国でも下の者に対してむやみに威張る奴は必ず上に対して
諂う奴、上に対して非常に諂って居る奴はきっと下に対して威張る奴で、実に憎むべき侫....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
り、かえって、ほんとに勲功のある者は、つつしんで身を矜持する風で、あえて当事者へ
諂うようなことはない。 ところが。 じっさいには、実績以上な分外の恩賞にあず....