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「諂諛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

諂諛の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
語られざる哲学」より 著者:三木清
粋で従って快活でありやすい友人や隣人に対しての愛において、すでに利己心や憎悪心や諂諛《てんゆ》や傲慢がそれの明るい拡りゆく自由さを失わせていたとすれば、婦人に対....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
下皆鬼神の如くにこれを畏敬した。特に癇癖荒気の大将というので、月卿雲客も怖れかつ諂諛して、あたかも古の木曾|義仲の都入りに出逢ったようなさまであった。それだのに....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
かけ、幇間半分に諸家へ出入をいたして居るうち、根岸の龜甲屋へも立入ることになり、諂諛が旨いのでお柳の気に入り、茂二作夫婦とも懇意になりました所から、主人半右衞門....
縮図」より 著者:徳田秋声
辺の世のなかの現実に触れた時、勝手がまるで違ったように、上官や同僚がすべて虚偽と諂諛の便宜主義者のように見えて仕方がなかった。しかしそっちこっち転々してみて、前....
李陵」より 著者:中島敦
はないのか。恬《てん》として既往を忘れたふりのできる顕官《けんかん》連や、彼らの諂諛《てんゆ》を見破るほどに聡明《そうめい》ではありながらなお真実に耳を傾けるこ....
弟子」より 著者:中島敦
不才とを識別し得ないほど愚かではないのだが、結局は苦い諫言《かんげん》よりも甘い諂諛《てんゆ》に欣《よろこ》ばされてしまう。衛の国政を左右するものはその後宮であ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
面の神経はよくわからないが、その挙動によって見ると、何の事だ、人間界の卑怯者と、諂諛《てんゆ》の者とが得てして行いがちの、狡猾《こうかつ》な、細心な、そのくせ、....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
説|贅議を闘わすに日も足らずであった。 二葉亭はこの中に投じた。虚文虚礼|便佞諂諛を賤しとして仕官するを欲しなかった二葉亭もこの意外なる自由の空気に満足して、....
三国志」より 著者:吉川英治
われ今勅を畏み、忠勇なるわが蜀兵と、生死をちこうてここ祁山の野に出たり。汝はこれ諂諛の老臣、まこと正邪をあきらかにし、一世を光明にみちびくの大戦は、汝の得意とす....