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諄い
「諄い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諄いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
あとに随き、なおも銀座東側の夜店の並ぶ雑沓の人混へ紛れ入って行くのを見て、「少し
諄い」と思った。しかし「珍しい女だ」とも思った。そして、かの女のこのロマン性によ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
七月の初めに、三津子さんから又ぞろ長い手紙がとどいて、きっと約束を守ってくれと
諄いように念を押して来ましたので、わたくしもすぐに返事を書いて、この月の廿五日の....
「魔都」より 著者:久生十蘭
のぐらいのことでお前を見限るようなことはしないから、その方も安心なさい。でもね、
諄いようだが、もう一言。……山木、鶴子やとめを殺ったのは本当にお前じゃなかったん....
「治郎吉格子」より 著者:吉川英治
った。ゆうべも、声を聞いた床屋の仁吉にちがいなかった。 「どうだね、お喜乃さん。
諄いたようだが、決して、悪いこたあすすめねえから、とにかく四、五日お屋敷へ、勤め....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
…しかもまだ烈々の侠血は唐草の五体に溢れ返って見える。 「先の晩にも、あの通り、
諄いお願いを致しました。もうこれが最後のお言葉をきく時です。さ、おっしゃって下さ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
少年に対しても、よいほどにものを誤魔化しておくということができない。 城太郎の
諄いような質問にも、面倒な顔もせず頻りと、噛んで含めるように答えてやりながら歩い....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
うも」
「さて、――これから約束の場所へ赴かれるのか」
「はい」
「お一人で?」
諄いと、承知しながら、小次郎はまたたずねた。
「一人です」
武蔵の返辞も、前と....