»
諍い
「諍い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諍いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
あろう。 奇妙なる金具のギザギザ溝の痕! そのとき室の入口に、なにか騒がしい
諍いが始まった。 踏台の上にいた検事はヨロヨロとした腰付で入口を見たが、ひと目....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
子も諷刺しておりますが、いたずらに私どもは、自力だ、他力だ、などという「宗論」の
諍いに、貴重な時間を浪費せずして、どこまでも自分に縁のある教えによって、その教え....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
ところはないのですが」と、いって私は心に思っている耳の話をして、「始終親子でいい
諍いすることのあるのは、私もよく見て知っていますが、その口喧嘩のしぶりから見ると....
「海流」より 著者:宮本百合子
とは、さわ子と結婚してからこれまでの二十年間にも度々細君の嫉妬を刺戟した。今度の
諍いは是迄より一層深刻であり性質も重大であった。自宅ではさわ子が少し気の利く女中....
「小公女」より 著者:菊池寛
げたいような気持になりました。他人が悩んでいたり、不幸であったりすると、すぐその
諍いの中に飛びこんで行きたくなる性癖のセエラでした。 「もしセエラが男の子で、二....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
ら子供を私の方へ差出す。「はるに抱かしたらいいじゃないか、」と私は答え返す。一寸
諍いが起る。「あなたは子供に愛がないんだわ、」と彼女は云う。……ああ、何という無....
「或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
ら見分けのつかない気持になっていたのだから。 所で、その晩、私は俊子と三時まで
諍い続けて、三時が打つと、その音がまた不思議にはっきり聞えたのであるが、私達は急....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
かれずに終った。 ――この話は全く事実である。この事のために、D夫人はB夫人と
諍いを生じ、D夫人は弁護士に依頼して、B夫人を相手取り、愛猫喪失の慰藉料を請求し....
「乾杯」より 著者:豊島与志雄
話しました。 けれど、彼女のその話も、すこぶる曖昧なものでした。或る時、亡夫と
諍いをしたというのです。――良夫がもう酔っ払って、正体もなくなっているのに、まだ....
「古木」より 著者:豊島与志雄
とごと》のように言いました。 「男のくせに、そんなのが分らないの。」 それで、
諍いとなりました。 問題があまり容易いと、巳之助は不満で、軽蔑したように言いま....
「旅だち」より 著者:豊島与志雄
陸軍の経理部の仕事をしたことがありました。性質は温厚で、何等の圭角もなく、同僚と
諍いをしたことなどはないそうでした。まだ特別な才能は示さないが、至って勤勉で、欠....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
言いません。 「……ちょうど姉が十七の年だったんですがね。僕は姉が父とそんな深い
諍いをしたということも知りませんでしたが、ある朝僕が起きて見たら、家の中がいつも....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
っしゃったそうですけれど……。 家へ入ろうとしたら、ふだん仲のいい姉妹が声高に
諍いをしていられましたから、福次郎さんも躊躇して、しばらくそこに、立っていたのだ....
「みずうみ」より 著者:室生犀星
を見た。そしてはっきりした声で 「それはお前の考えちがいですよ、あんないやらしい
諍いはわたしだちは今日はじめてしたんですよ、それをお前が見たことがあるなんてこと....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
ます。あの人も私を憎めなかったんでしょう。二人は真実に愛し合っている癖に、始終|
諍いばかりしていました。が、さてあの人はもうこの世にいないと思うと、この先どうし....