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「論考〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

論考の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
いに違ない。坑夫は自分に取って天職である。――とここまで明暸《めいりょう》には無論考えなかったが、ただ坑夫と聞いた時、何となく陰気な心持ちがして、その陰気がまた....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
ない。と云ってせっかく行くと云うものを、意見までして思い止まらせるほどの口実は無論考え出せないから、なすがままにさせて放《ほう》っておいた。そのうち不思議な事に....
道草」より 著者:夏目漱石
んでしょうね」 健三は波多野の顔さえ見た事がなかった。生死《しょうし》などは無論考えの中になかった。 「警部だっていうじゃありませんか」 「何んだか知らないね....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
数え尽してようやく髣髴《ほうふつ》すべき霊妙な境界《きょうがい》を通過したとは無論考えなかった。ただ胸苦《むなぐる》しくなって枕の上の頭を右に傾むけようとした次....
近時政論考」より 著者:陸羯南
く惨※ならず。もし不幸にして萎爾するなくば、必ず東洋の巨人たらん。かつて『近時政論考』の著あり、余の意想を啓発すること鮮少ならざりき。多謝。 三宅雄二郎識 ....
作家に語りかける言葉」より 著者:宮本百合子
』一冊は、評論としての正統な理論的追究と同時に、文学の芸術的因子にこまかくふれた論考であるということが云えるのだと思う。 この十年の間に、日本の文学は実に激し....
昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
年の冬出版され、数年来の文学の動向を、個々の現象に即しながらそれを原理に近づいて論考した所産として、少なからぬ興味を有するものであった。 多岐多難な現代の日本....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。すべて十分の科学的視野に立たぬものの生活につきまとうものです。 本当に百合子論考えておいて下さい。出来たらどうかおくりものとして下さい。真の納得やハッと分っ....
アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
るような修練に重きを置いた一般的教育が有効である。」 「尤も生徒の個性的傾向は無論考えなければならない。通例そのような傾向は、かなりに早くから現われるものである....
グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
いのする船の中に、とじ込められて辛棒しているなんてことが、考えられるかい。――無論考えられないさ。そう云う人間は自分自身のことも、考えるだろうし、それから自分の....
日記」より 著者:宮本百合子
てやろうと決めた。」 此はどう云うことに成るのだろう。自分には単なる利己とは勿論考えられない。自分が、アメリカから、母上の為に帰ろうと定めた時も、自分が思う丈....
競馬」より 著者:犬田卯
裾の開墾地へ行って午前中だけ働いた。あとで女房から証跡を発見されてはいけないと無論考えたのである。が、十一時、十二時近くになって、眼の前の道をぞろぞろと人々が押....
丸の内」より 著者:高浜虚子
人を立派な人とも考えない。職務に忠実な人とも考えない。(職務に忠実で無い人とも無論考えないが)ただその集配人をそんな羽目にまで置く郵便の組織を感心する。集配人を....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
得る最も確実な資料によって訂正増補された補遺を附してあって、殊に補遺作成のための論考の中に多くの示唆を含んでいる。今日望みうる定家全歌集としてこれ以上のものはし....
大谷刑部」より 著者:吉川英治
の発向に日を急いでいる他の諸侯へ響いたら、どんな嫌疑をうけるか――そういう事も無論考えずにはいられない筈である。 「……ウむ……そう云うてか……ふム……」 い....