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「諢名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

諢名の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
為には如何なる手段をも選ばなかった。現に彼等の或ものは、――達磨《だるま》と言う諢名《あだな》のある英語の教師は「生意気である」と言う為に度たび信輔に体刑を課し....
」より 著者:芥川竜之介
じょ》時代の彼女は妹と一しょに、この画の具だらけの青年をひそかに「猿《さる》」と諢名《あだな》していた。彼は実際顔の赤い、妙に目ばかり赫《かがや》かせた、――つ....
」より 著者:芥川竜之介
思うくらい、年が年中恐しくまっ赤なのでございます。そこで奈良の町のものが、これに諢名《あだな》をつけまして、鼻蔵《はなくら》――と申しますのは、元来大鼻の蔵人得....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ぜん》」のように彼等の一人に、――黒と黄との海水着を着た少女に「ジンゲジ」と言う諢名《あだな》をつけていた。「ジンゲジ」とは彼女の顔だち(ゲジヒト)の肉感的(ジ....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
ものだと見上げても、まだ顔はその上の方にあるというので、人々は彼れを「まだか」と諢名《あだな》していたのだ。 時々佐藤の妻と彼れとの関係が、人々の噂《うわさ》....
阿宝」より 著者:田中貢太郎
、頸まで赧くして、汗を流してこまった。悪戯者どもはそれを面白がっていたが、後には諢名をつけて孫痴といった。 村に豪商があってそこの富力は大名とおんなじ位だとい....
貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
なってから急に客が殖えた。夕方になると野良から帰った百姓達の中心になって、一升と諢名《あだな》のある桶屋だの甚助親子だのが集って来た。 店先に床几《えんだい》....
魚玄機」より 著者:森鴎外
※、字は飛卿である。挙場にあって八たび手を叉けば八韻の詩が成るので、温八叉と云う諢名もある。鍾馗と云うのは、容貌が醜怪だから言うのだ。当今の詩人では李商隠を除い....
余興」より 著者:森鴎外
。見れば、柳橋で私の唯一人識っている年増芸者であった。 この女には鼠頭魚と云う諢名がある。昔は随分美しかった人らしいが、今は痩せて、顔が少し尖ったように見える....
風流仏」より 著者:幸田露伴
に、天道怪しくも是を恵まず。運は賽の眼の出所分らぬ者にてお辰の叔父ぶんなげの七と諢名取りし蕩楽者、男は好けれど根性図太く誰にも彼にも疎まれて大の字に寝たとて一坪....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
は、それほど利用もしないのでした。主人は、専門が解剖というためもありましょうが、諢名を仙人と呼ばれ、新しいものは真先にという気風ではありませんでしたが、大学教授....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ドモ又の死 (これはマーク・トウェインの小話から暗示を得て書いたものだ) 人物 花田 ┐ 沢本 (諢名、生蕃) │ 戸部 (諢名、ドモ又) ├若き画家 瀬古 (諢名、若様) ....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
でやめさせられて校長先生の家へ子守りにやられた。 校長先生には「赤髭コ」という諢名がついていた。寒中でも真っ裸になって井戸端で水をかぶる人だった。赤ん坊をおぶ....
五重塔」より 著者:幸田露伴
、その五重の塔を、こういう野郎でござります、御覧の通り、のっそり十兵衛と口惜しい諢名をつけられて居る奴でござりまする、しかしお上人様、真実でござりまする、工事は....