» 諭す

「諭す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

諭すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
毛の逆立った古畳に顔を埋めてしまった。 「もうこうなったら仕方がねえ」と、半七は諭すように云った。「この芝居ももうこれで大詰めだろう。おい、千次郎。正直に何もか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はおかしいじゃねえか」 勇吉は黙っていた。 「ここが大事のところだ」と、常吉は諭すように云った。「おめえが褒美を貰うか、下手人になるか、二つに一つの大事のとこ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て来て、いつまでも彼等を窘めていられなくなった。彼はほかの武士を表へ呼び出して、諭すようにささやいた。 「あなた方が辻斬りでないことは私も大抵察しています。ふた....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
もう安心なものだ。どうしても承知ができないか」 父は沸える腹をこらえ手を握って諭すのである。おとよは瞬きもせず膝の手を見つめたまま黙っている。父はもう堪りかね....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
て眠る。 八月十六日 ◯湊君、間宮君、倉光君くる。湊君「大義」を示して、われを諭す。 ◯死の第二手段、夜に入るも入手出来ず、焦慮す。妻と共に泣く。明夜こそ、第....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とあなたばかりではない、お嬢さまにも、おそろしい災難が落ちて来るかも知れない』と諭すように仰しゃいました。こう聞いて私もぞっとしました。自分はともあれ、せめて娘....
東京要塞」より 著者:海野十三
が逃げた。 この上は、夜に入って、五郎造親方が帰宅するところを捕えて、これを説諭するほかない。お前も日本人だろうが、某大国に雇われているのを知らないわけじゃな....
星女郎」より 著者:泉鏡花
ある―― 意味は明かに、しかも優しく、美しく通じたが、待て、なぜ下へ降りよ、と諭す? 峠を越すな、進んではならぬ、と言うか。自分|我にしか云うものが、婦人の....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
進歩を叫び、人気取りを生命とする一切のデモ教団を斥け、又啓示に盲従することの愚を諭す等、正に至れり尽せりと言ってよい。しかも少しもあせらず、押売りせず、悠々とし....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
「帰りません。」 「あなたの身分を考えて御覧なさい。」と、巡査はほほえみながら諭すように言った。 「身分なんか構いません。免職されても構いません。」と、男は真....
式部小路」より 著者:泉鏡花
こうやって私等風情と、一所においでなさるんだもの、まったくですよ。」と年紀だけに諭すがごとく、自らは悟りすましたようにいったのであるが、何のおかみさん、日傘が深....
迷信解」より 著者:井上円了
叢談』にあるも、その源は『閑際筆記』より引用したるものである。いずれも迷信を人に諭すに、最も分かりやすく、かつ興味ある話である。 尋常の『修身書』の注意のもと....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
れを信ずるゆえんを明らかにしたるをもって、ここにその道理を述べて、いささか愚民に諭すところあらんとす。これ、余がこのことをあつめて、『妖怪玄談』第一集となすゆえ....
ものぐさなきつね」より 著者:小川未明
。そうしたら、じきにその小舎を見つけることができます。辛棒が肝心です。」と、星は諭すようにいいました。 「そうしようか。」と、ものぐさなきつねは村の方を見て、そ....
石段に鉄管」より 著者:小川未明
いました。 「そんなこといわんで、ここへきて、ちっとばかし休みな。」と、母親は、諭すようにいいました。けれど、弟は、明るい方ばかし見ていて、母親のいうことを聞き....