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「諳記〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

諳記の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
思うのはこのことだけだった。あれで園はいつどこにいくら入れたということをちゃんと諳記《あんき》しているのかもしれないとも思った。園は取りだした金を机の上で下手糞....
虚構の春」より 著者:太宰治
来た。一言半句、こころにきざまれているような気がしています。本屋から千葉の住所を諳記して来てかきとって置いたのが去年の八月である。それを役立てることが今迄できな....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
へ来る野鳥の類なら、そのなき声をきいただけでもすぐに言い当てるほど多くの鳥の名を諳記じていて、山林の枯れ痛み、風折れ、雪折れ、あるいは枝卸しなどのことには精通し....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
実験さしてもらいました。初めはなかなか難かしかったんですけど、そのうちに周規律を諳記してしまいますと素敵に面白くなって、じきに有機化学の方へ入りました」 「……....
焦点を合せる」より 著者:夢野久作
るんだから絶体絶命だ。高等数学の本なんかテンデわからない奴を、片ッ端から一冊分丸諳記さ。そんな無茶をやった事があるかい。無いだろう。トテモお話にならないんだ。兵....
孟買挿話」より 著者:吉行エイスケ
ずねる。私がなくてもよいうるさいほどの用事を彼女に申し出るとアダは一つ一つそれを諳記して窓から暗のなかに投棄ててしまうのであった。 私は少し興奮して孟買の私達....
青年」より 著者:森鴎外
なれば宜しいということになりませんと、勤めにくくて困ります。脚本の長い白を一々|諳記させられてはたまりません。大家のお方の脚本は、どうもあれに困ります。女形です....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
、同じ押韻の哲学論理や、或は我が国等によく見る道徳処世の教訓歌、学生が地理歴史の諳記《あんき》に便する和歌等のものである。これ等の文字は、確にだれがみても異存の....
縁結び」より 著者:泉鏡花
の堂へ寄って、世間話、お祖師様の一代記、時によると、軍談講釈、太平記を拾いよみに諳記でやるくらい話がおもしろい爺様だから、日が暮れるまで坐り込んで、提灯を借りて....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
DF――幾らかの応援あらば復旧することを得べし。 ETC・ETC・ETC。諳記しては、片っぱしから綺麗に忘れる。 ある日の船内無線新聞。 伯林。昨月曜....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
学者に初めて接したる、その刹那の感想は……』――ねえ、ちゃんと斯う私は君の手紙を諳記しているよ。――その刹那の感想はなんて、あんな手紙を書くのを見ると、何うして....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
れているうち、その新鮮の色があせつつ来たのであるが、旅人のこの歌頃までは、いまだ諳記してものを云っているようなところのないのを鑑賞者は見免してはならぬだろう。そ....