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諸声
「諸声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諸声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
が、人力車《くるま》は無二無三に突進して、ついに一歩を抽《ぬ》きけり。 車夫は
諸声《いっせい》に凱歌《かちどき》を揚げ、勢いに乗じて二歩を抽き、三歩を抽き、ま....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
ども、天帝の身には近づかで、 修羅かれがために破らる。 ――お立ち――、(陰より
諸声。) 手早く太刀を納め、兜をもとに直す、一同つい居る。 亀姫 お姉様、今度は....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
かって、一人も余さず尽く屠り殺す。―― 白雪 姥、嬉しいな。 一同 お姫様。(と
諸声凄し。) 白雪 人間は? 姥 皆、魚に。早や泳いでおります。田螺、鰌も見えま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の峰――の上に一休みしたことがある。 その姿を見かけると、富士と、八ヶ岳とが、
諸声《もろごえ》で大菩薩に呼びかけて言うことには、 「のう大菩薩、下界の人にはわ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
る。 「洲の股もめでたいな、うふふ、」 と北叟笑みつつ、坂下の嫗は腰を捻った。
諸声に、 「ふァふァふァ、」 「うふふ、」 「あはははは。」 「坂の下祝いましょ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
例のように源氏は終夜眠れなかった。明け方に千鳥が身にしむ声で鳴いた。 友千鳥|
諸声《もろごゑ》に鳴く暁は一人|寝覚《ねざ》めの床《とこ》も頼もし だれもま....
「文づかい」より 著者:森鴎外
ちにひそみしさまざまの絃の鬼、ひとりびとりにきわみなき怨みを訴えおわりて、いまや
諸声たてて泣きとよむようなるとき、いぶかしや、城外に笛の音起りて、たどたどしゅう....
「魔都」より 著者:久生十蘭
形ばかりの門松の下を潜って酒場《バー》の扉を引開けると、とたんにワッというひどい
諸声とともに、高低様々に調子を外した童謡の合唱が聞こえてくる。なかなる宴会はすで....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
た金比羅さまがたいへんに繁昌する。 アコ長ととど助、屋敷の門前へ四ツ手をすえ、
諸声《もろごえ》で、 「ヘエ、まいりましょう」 「これ、駕籠へのらんか、安くまい....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
れるような、力みのある産声が聞えて来た。 「おぎゃあ」 みなが、われともなく、
諸声で、わア、と、声を上げた。 「お生まれになりましたよッ、立派な男のお子さんで....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
と聞く時分から、テケテケテン、テトドンドンと、村のどこかで……遠い小学校の小児の
諸声に交って、静に冴えて、松葉が飛歩行くような太神楽の声が聞えて、それが、谺に響....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
それにあの鈍い鐘の音は、
もう復活祭の始まる時刻を知らせるのか。
さてはあの
諸声は、昔冢穴の闇の夜に
天使の唇から響いて、新しき教の群に
固き基を与えた、慰....
「三国志」より 著者:吉川英治
意」と、すぐ五百余騎を、鳥雲に備え立て、山麓まぢかへ迫ってからにわかに鼓を鳴らし
諸声あげて決戦を挑んだ。 賊は、山の中腹から、鉄弓を射、弩をつるべ撃ちして、容....
「三国志」より 著者:吉川英治
重なって、やがて鞠の如く、縛り上げてしまった。 「捕ったっ」 「呂布を縛めた!」
諸声あげて、反軍の将士が、そこでどよめきをあげた頃――城頭のやぐらでは、一味の者....
「三国志」より 著者:吉川英治
く趙雲子龍を先頭とする五百騎であった。 同時に、玄徳の本軍も遠くから潮のような
諸声や鉦鼓の音をあげて威勢を助けていた。 全陣の真只中を趙雲の五百騎に突破され....