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「諸式〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

諸式の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
のときの慶長小判と今の鋳替《ふきかえ》小判とでは、金の値打が違っているし、それに諸式が上っているし……」 「御馳走の方も、だんだん贅沢になってきているし……」 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
寺島村の寮で、この寮の主人は霊岸島の米問屋の三島であることが判った。 この頃は諸式|高直《こうじき》のために、江戸でもときどきに打毀《うちこわ》しの一揆が起っ....
明治座の所感を虚子君に問れて」より 著者:夏目漱石
はだ気の毒である。同盟してもっと見物賃を上げるが好い。牛肉でも葱《ねぎ》でも外の諸式はもっとぐっと高くなりつつある。....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
へ引越し、幽霊から貰った百両あれば先ずしめたと、懇意の馬方|久藏を頼み、此の頃は諸式が安いから二十両で立派な家を買取り、五十両を資本に下し荒物見世を開きまして、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
持かて一年に均《なら》してみやはりまっせ、一石八斗二升五合になりまんがな、今時、諸式が上りはって、京大阪で上白《じょうはく》一桝《ひとます》が一貫と二十四文しま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よ、何しろ八百万石の台所で、時代を経るに従って、子孫が贅沢《ぜいたく》は覚える、諸式は高くなる、江戸の親玉もやりきれねえのさ。そこでふところが寂しくなると、人に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
給料は一カ月に一分二朱というのが上の部で、悪いのになると一分ぐらいでした。いくら諸式の廉い時代でも一カ月に一分や一分二朱じゃあやり切れません。おまけに五人も十人....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を心がけていたから、美人の男爵令嬢オーライであると諾然一笑して女房にもらったが、諸式に思想がちがって、夫婦生活は全然シックリしなかった。文明開化はこういうもので....
南国太平記」より 著者:直木三十五
終ると 「ざっと、こんなもので」 扇を抜いて、忙がしく、風を入れた。 「世間の諸式が悪いというに、唄だけはよく流行るのう」 将曹が、柱から、身体を起して 「....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
り客をとられて難渋《なんじゅう》している。が、新店は資《もと》がまわるとみえて、諸式を安く仕入れて売るものだから、とても太刀《たち》打ちはできない。 そこで生....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
醤油の四倍から五倍になっているのを思うと、甚だ残念で堪らぬ。 下って、享保頃の諸式の価を調べてみると、とぼし油五合で一百文、白豆四升六合で一百文、白木綿一反で....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ば、廃家ではあるが家賃の出ない「屋根の下」があることだし、なおその他のいわゆる「諸式」だって少しは軽減されるであろうし、それから精神的な理由もあったが、とにかく....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
がなかなか熱心であるが、したがってまた、それ相応に芸術ずきでもある。けだし教会の諸式に荘厳をつくし、きれいにそろった『たえなる』の唱歌を聴くことは、彼らにとって....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、生産、建設面はまだ何一つ行われていず、天皇の還都いらいは、朝威をかざるに急で、諸式万端、華美と見栄に走って、さいげんもない加速度な支出をぜひなくして来ている。....