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諸役
「諸役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諸役の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
様子が見えたかと思うと、山のごとき七つの船体が江戸を指して走り始めた。海岸警衛の
諸役人が、すわやと思っていると、羽田沖で急に転回し、外海《そとうみ》の方へ向けて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とに決まっていました。その時には将軍家に種々の献上物をするのは勿論ですが、係りの
諸役人にもそれぞれに土産物をくれます。かのズウフラも通辞役の人にくれたのを、その....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
山三村の代官高橋武右衛門は、夜半放火されて驚いて出る処を討たれた。其他諸々在々の
諸役人も同じく襲撃されたのである。 時に島原の領主松倉重次は、江戸出府中の事で....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のは、若者の目や耳から隠したいことばかりであった。殺人、盗賊、駈落、男女の情死、
諸役人の腐敗|沙汰なぞは、この街道でめずらしいことではなくなった。 同宿三十年....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
するであろうと言った。なお、過ぐる亥年の三月から七月まで、将軍還御のおりのお供と
諸役人が通行中に下された人馬賃銭の仕訳書上帳なるものを至急国もとから取り寄せて差....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ずであった。二人の侍が彼ら異国の珍客に煙草や茶をすすめて慇懃に接待し、やがて他の
諸役人も来て一行に挨拶した。そこに待つこと三十分ばかり。その間に、老中初め諸大官....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ころの悪習ともいえましょう。 それに引き代え、江戸は八百万石のお膝下、金銀座の
諸役人、前にいった札差とか、あるいは諸藩の留守居役といったような、金銭に糸目をつ....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ごと》に行きわたった世|馴《な》れた人が選まれ、金座、銀座、お蔵前などの大町人や
諸役人と同様その時分の社交人である。十人衆、五人衆、旦那衆と尊称され、髪の結いか....
「田七郎」より 著者:田中貢太郎
を斬った。邑宰は驚いて逃げていった。樵人は臂を張り肩を怒らして四辺を見まわした。
諸役人は急に門を締めて杖を持ってさわぎだした。樵人はそこで自分で頸を突いて死んだ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
ります。其の中に与力の家来は斯くと八丁堀へ知らせ、また一方は奉行所へ訴えますと、
諸役人も驚いて早速駈付けました。時に表に居りました亥太郎、國藏、森松の三人は自身....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
です。 ところが、私らのような法律を扱うのをもって職業とする者、その他大臣以下
諸役人、議員、裁判官、弁護士らは平素あまりに法律に近づきすぎる。その結果ややもす....
「魔像」より 著者:林不忘
て塵一本もとどめない。暁《あけ》の七つから一門、譜代《ふだい》大名、三千石以上の
諸役人が続々と年始の拝礼に参上して、太刀《たち》目録を献上する。大中納言、参議中....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
ちにある宮中の会計や、庶務に従う御賄頭、勘使兼御買物方、御普請掛、御勘定役などの
諸役人は、どれも祿高百俵内外の旗本とか御家人とかいう将軍お目見え以下の軽い武士で....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
類も相応にいたろう。茶坊主、小姓|乃至奥女中の類も沢山にいたろう。又家老その他の
諸役人もいたろう。そうして大名は芝居でするように、厚座蒲団の上に座ってかたわらに....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
れば百姓になる事が出来た。それには本軒に三石、半軒に一石五斗の本米を給し、三年間
諸役を免除されたものだと谷君は云っておられる。本軒・半軒等の別はもと持高の額に応....