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諸方
「諸方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諸方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
《ひろ》がった中に、ただ往来のざわめきだけが、硝子《ガラス》戸を開《あ》け放した
諸方の窓から、日の光と一しょにはいって来る。
その内にふと女の膝《ひざ》から、....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
しんこうじまち》の二丁目にも一つ、それから、もう一つはどこでしたかな。とにかく、
諸方にあるそうです。それが皆、我々の真似だそうだから、可笑《おか》しいじゃありま....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
そのシメオンの口から、当時の容子《ようす》が信徒の間へ伝えられ、それがまた次第に
諸方へひろまって、ついには何十年か後に、この記録の筆者の耳へもはいるような事にな....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
を打ち揚げしだい、二箇月間三百円にて雇わんとの相談は調《ととの》いき。 白糸は
諸方に負債ある旨を打ち明けて、その三分の二を前借りし、不義理なる借金を払いて、手....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
の足へもまだ水はつかなかった。避難の二席にもまだ五、六寸の余裕はあった。新聞紙は
諸方面の水害と今後の警戒すべきを特報したけれど、天気になったという事が、非常にわ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
神統学(Theogony)の一章、すなわち、神々の系図の物語であるにすぎない。』
諸方の民族の伝説中で大洪水の伝説が顕著な役目をつとめている。これには科学者の側か....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
られるのでございます。 敦子さまの悩みは早くも十七八の娘盛りから始まりました。
諸方から雨の降るようにかかって来る縁談、中には随分これはというのもあったそうでご....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ト教徒の信じただけを信ずべきであると説いた。グラスと婿のサンデマンとがこの教旨を
諸方に広めたので、この宗をグラサイトとも、またサンデマニアンともいう。 大体の....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ところによるに、同国下田港近辺は日本全国中最初に流行し、当時その地にありては毎夜
諸方に相会して、吉凶禍福、細大のこと、みなこのコックリに向かって請願して、その応....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
一斑をお話しいたす考えでござります。(謹聴) 私がこれを研究し始めまして以来、
諸方から続々、妖怪事実を御報道にあずかりまして、すでに今日まで集まっておるのが五....
「迷信解」より 著者:井上円了
できぬ。 偽怪、誤怪はすこぶる多きも、この二者を除き、なお実際の狐惑、狐憑きは
諸方に起こり、たやすく実験のできることなれば、別段例を挙ぐるに及ばぬ。されど、こ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
第一にその仕方を説き、第二にその伝来を述べ、第三にその原因を論ずるなり。 余が
諸方より得たる報道によるに、コックリの仕方は、国々によりて不同ありて一定せざるも....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
にある西洋人の日本に来遊するものは、年々に増加するのみという。ゆえに、もし洋館を
諸方に設立し、外人を処するの方を改良するときは、その数一層増加するは言をまたずし....
「西航日録」より 著者:井上円了
をもって迎えらるるは、余が大いに感じたるところなり。村内を通過せる一帯の渓流は、
諸方より清泉のこれに合するありて、水源にさかのぼるに従い清澄鏡のごとくなるも、下....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
万人は外国人なり。周囲は平原にして、山岳望中に入る。樹木の日光を遮るなく、汚水の
諸方に滞留するあり。人家は多く二階建てなり。室内は土間のままにて床を張らず。別に....