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諸相
「諸相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諸相の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
体が涙を私の眼から搾《しぼ》り出したとでもいえばいいのか知らん。その時から生活の
諸相が総《すべ》て眼の前で変ってしまった。
お前たちの中《うち》最初にこの世の....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
芸術に限られたことでもない。政治の上にも、宗教の上にも、その他人間生活のすべての
諸相の上にかかる普遍的な要素は、多いか少ないかの程度において存在している。それを....
「芽生」より 著者:島崎藤村
の仕事を完成したいと思った。 岩村田通いの馬車の喇叭《らっぱ》が鳴った。私は小
諸相生町の角からその馬車に乗った。引越の仕度をするよりも、何よりも、先《ま》ず一....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
哲学と科学、凡ての文化と進歩とを蓄えた宏大もない貯蔵場だ――と、現代の人類活動の
諸相との集成から成り立っている。それからお前が全く眼を退けて、私だけに注意すると....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ら熱へ、熱からまた空間運動へと無窮に変転を続けている。その変遷の途中のいろいろの
諸相が相い並んで共存するのを見ることができる。すなわち、一方には火焔に包まれた天....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ある。しかしそれはけっしてアモーラルな心持ちからではない。世界をそのあるがままの
諸相のままに肯定するというのは、差別を消して一様なホモゲンなものとして肯定するの....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
ら、少しばかり抜いておこう。 ――自分ノ感ジデハ、此ノ空間ヲ往来シテイル電波ノ
諸相ニツイテノ研究ハ、ホンノ手ガツイタバカリダト思ウ。ワレワレ通信技術者ガワレワ....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
牛刀の味を示す。 すなわち日本画家が現代生活相を怖れる如く西洋画家も現代生活の
諸相を避けて、彼らは永久に地球のしわであるところの山水を描き、永久に人間であると....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
たと云われている。 しかし今日の我々が「官場現形記」を読むと、官界の腐敗堕落の
諸相は清朝のものではなくて、そッくり日本の現実だ。日本官界の現実は亡国の相であり....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
の片棒だけをかつがされている運のわるい奴がいるものさ。まったくですよ。人生の諸事
諸相には、かならずこのトンマな三人目が隅ッこでブウブウ言っているものさ。長平さん....
「新らしき性格感情」より 著者:坂口安吾
らに問題でないこの事が、実は無限の錯雑と、思いがけない表情を、最も進化した文化の
諸相へさえ滲みだし、根を張りめぐらしているように思えてならぬ。完璧の制度も、死を....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
吹く風、バクゲキなどはわが身の知ったことではない。 したがって彼らが戦後の諸事
諸相を咒い戦時の遺制に最大の愛着をもつのは当然の話であろう。特に天皇制こそは彼ら....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
与えたのである。馬琴の人生観や宇宙観の批評は別問題として、『八犬伝』は馬琴の哲学
諸相を綜合具象した馬琴|宗の根本経典である。 三 『八犬伝』総括評....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、青年団、写真班、鹿児島ァ起きろ。」 と、起きた起きた。二等よりもより雑然たる
諸相の中から、湧き出る、溢れ出る、転がり出る、飛び出る、それらの如く、蠢々として....
「民族の感歎」より 著者:折口信夫
いるかわからない。作家から言っても、千樫・赤彦と移って、其後、斎藤さんの具有する
諸相を理会する時が、やっと到ったのである。それだけに、今における尊敬は、私にとっ....