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謁する
「謁する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
謁するの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
の頃ある公卿に謁せんとした所、夏装束にて恥しければと言う。苦しからずとて、強いて
謁するに、夏装束と思いの外、蚊帳を身に纏うて居たと云う話がある。又袋を携えて関白....
「運命」より 著者:幸田露伴
相近し、俳徊感慨、まことに止む能わざるものありしならん。又別に、春日劉太保の墓に
謁するの七律あり。まことに思慕の切なるを証すというべし。東游せんとして郷中諸友に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
喜討伐の師がすでに京都を出発した上は、関東の形勢も安心なりがたい。もし早く帝に拝
謁することがかなわないならすみやかに浪華の地を退きたい、そして横浜にある居留民の....
「柳毅伝」より 著者:田中貢太郎
毅はこんな者に真箇のことは言われないと思ったのででたらめを言った。 「大王に拝
謁するために来たのです」 「では、お供をいたしましょう」 武士は前に立って歩い....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
の当時の職制より見れば、いわゆる独礼の班に加わったのである。独礼とは式日に藩主に
謁するに当って、単独に進むものをいう。これより下は二人立、三人立等となり、遂に馬....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
吠を作《な》さしむと、知識それはとてもならぬ事と言いて飲食を賭す、それから入りて
謁すると知識門外よりこれを伺う、令宰白に何の用あって来たかと問うと、令公はいまだ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
着すると、船番所というがあってその座敷で休息する。そこへ家老一同が城下から来て拝
謁する。それから行列を調えて城下へ入り込むのである。が、この頃は多事の世の中にも....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
父を懐うよりも母を慕う情が深く、父の墓所二尊院に参詣するよりも、しの坂の母の墓に
謁する方が、思い出の種も多かったのである。母というのは前にも述べたごとく、甘露寺....
「源氏物語」より 著者:紫式部
も推し量って、手紙を送る以上のことはしなかった。 出立の前夜に源氏は院のお墓へ
謁するために北山へ向かった。明け方にかけて月の出るころであったから、それまでの時....
「鶏」より 著者:森鴎外
えて司令部へ出た。その頃は申告の為方なんぞは極まっていなかったが、廉あって上官に
謁する時というので、着任の挨拶は正装ですることになっていた。 翌日も雨が降って....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
彬の若者好きとからで、小太郎は無役の、御目見得以下ではあったが、時々、斉彬に、拝
謁することができた。
斉彬は、時々、そうした若者を集めては、天下の形勢、万国の....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
うち水精手幡以下の品物は内裡に献じたとある。最初の舎利三千粒も、初めて聖武上皇に
謁する時に捧呈せられている。美術品は刺繍二つ、画像二つ、障子にかいた画が三つ、彫....
「西航日録」より 著者:井上円了
ow)に入る。これ、外人旅行のために建てられたる休泊所なり。ここに大谷光瑞上人に
謁するを得たるも、また不思議の因縁なり。余、ガヤ懐古の題にて歌をつづる。 正覚の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
持って明日は、辰の口のお控え所まで参り、登城のおゆるしが出れば、即日、将軍家に拝
謁することになろう。――だから、老中のお使いが見え次第に、わしがお迎えに行かねば....