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「謂う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

謂うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外科室」より 著者:泉鏡花
は決然たるものありき。 「何も痲酔剤《ますいざい》を嗅《か》いだからって、譫言を謂うという、極《き》まったこともなさそうじゃの」 「いいえ、このくらい思っていれ....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
ら》えて放たず、負われ懸くるがごとくにして歩行《ある》きながら、 「お香、こうは謂うもののな、おれはおまえが憎かあない、死んだ母親にそっくりでかわいくってならな....
婦系図」より 著者:泉鏡花
りと壁に附着いた。 「いえ、お嬢様でございます。」 「嬢的、お妙さんか。」 と謂うと斉しく、まだ酒のある茶碗を置いた塗盆を、飛上る足で蹴覆して、羽織の紐を引掴....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
である。芸術は創造だ。故に凡ての人は多少の意味に於て芸術家であらねばならぬ。若し謂うところの芸術家のみが創造を司り、他はこれに与らないものだとするなら、どうして....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
、蛇はこれを諾いて鷲と戦い亡失せしということの候なり。されど今|憖に鷲の首などと謂う時は、かの恐しき魔法使の整え来ぬとも料り難く因りて婆々が思案には、(其方の言....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
つむけにしたる二個の湯呑は、夫婦別々の好みにて、対にあらず。 細君は名をお貞と謂う、年紀は二十一なれど、二つばかり若やぎたるが、この長火鉢のむこうに坐れり。細....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
新婦の気色を危みたる介添の、何かは知らずおどおどしながら、 「こちらへ。」 と謂うに任せ、渠は少しも躊躇わで、静々と歩を廊下に運びて、やがて寝室に伴われぬ。 ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
いっておりました。ほんとうに女形が鬘をつけて出たような顔色をしていながら、お米と謂うのは大変なものじゃあございませんか、悪党でもずっと四天で出る方だね、私どもは....
黒百合」より 著者:泉鏡花
邪魔にすると棄置かんよ、などと大上段に斬込んで、臆面もなく遊びに来て、最初は娘の謂うごとく、若山を兄だと思っていた。 それ芸妓の兄さん、後家の後見、和尚の姪に....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
、急であると云う意味であろう。この限りでは菊池寛も、文壇の二三子と比較した場合、謂う所の生一本の芸術家ではない。たとえば彼が世に出た以来、テエマ小説の語が起った....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
胸が痛いから白菊の露が飲みたいという意味の辞世の句を残して儚うなり、贔屓の人々は謂うまでもなく、見巧者をはじめ、芸人の仲間にも、あわれ梨園の眺め唯一の、白百合一....
三枚続」より 著者:泉鏡花
い間の花主で紋床はただ背後の私立学校で一科目預っている人物と心得て、先生、先生と謂うが、さにあらず、府下銀座|通なる某新聞の記者で、遠山金之助というのである。 ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
そうさ、」 「お前さん楼じゃあ構わなかったっけか。」 「何を、」 「剃刀をさ。」謂うことはのみ込めないけれども、急に改まって五助が真面目だから、聞くのも気がさし....
活人形」より 著者:泉鏡花
う格言がある、何、訳はありません。近い内にきっと罪人を出しましょう。と事も無げに謂う顔を警部は見遣りて、「君、鰒でも食って死よったのかも知れんが。何も毒殺された....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
る日シュリーフェンはオランダの中立を犯す決心であったろうと問うたところ、何故かと謂うから色々理由を述べ、特に戦史課長フェルスター中佐の著書等にシュリーフェンがア....