謝する[語句情報] » 謝する

「謝する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

謝するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
教授の雅量に負う所が少くない。唯《ただ》偏狭なる自分が衷心から其《その》雅量に感謝する事の出来ないのは、遺憾である。 自分は「羅生門」以前にも、幾つかの短篇を....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
れた言葉は「なぜ」に対する答ではない。意外にも甚だ悄然《しょうぜん》とした、罪を謝する言葉である。 「あたら御役《おやく》に立つ侍を一人、刀の錆《さび》に致した....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私はより高い大きなものに対する欲求を以て、知り得たる現在に安住し得るのを自己に感謝する。 私の言おうとする事が読者に十分の理解を与え得なくはないかと恐れる。人....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
の失踪事件」の真相と、その後日物語を発表する機会を与えられたことを、みなさんに感謝する次第である。 さてあの時価金三万五千円也のラジウムはどうしたか。それから....
火星兵団」より 著者:海野十三
天文学会へ、皆さんがいろいろな避難方法を書いて送って下さったことを、予はふかく感謝するものです。我々の学会では、学者たちにこれを示して、どの方法がいいか、どの方....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、 「どうした。」 「もう何も彼も御存じの事だから、ちっとも隠す事はない、ただ感謝するんだがね、君が連れて来て一足先へ入ったお雪が、今までここに居たのに、どこへ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いて、何となく高峰の花という感じがしたのに、賢君の丹精で、机の上に活かったのは感謝する。 早く行って拝見しよう、……が、また誰か、台所の方で、私の帰るのを待っ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
したお雪の耳にも、かかる言は聞えたのであろう。 「勿体のうございます。」と、神に謝するがごとくにいった。 「その意で諦めねえ。おい、そう泣くのは止せ、弱虫だと見....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
! この情に、太く動かされた色が見えたが、面を正しゅう向直った。 「何とも――感謝する。古疵の悩を覚えさせまい、とそうやって知らん顔をしてくれるのは真に嬉しい、....
健康と仕事」より 著者:上村松園
あろう……と。 私は無理をゆるされて来たことについて、誰にともなくそのことを感謝することがある。 私の母も人一倍丈夫な体をもっていた。病気というものを知らな....
式部小路」より 著者:泉鏡花
と称する阿夏品を誦しはじめた。これよりさき金之助は、事故あって、訪問の客に面会を謝する意を、附添の看護婦に含ませたことはいうまでもない。 「話の続は、今その吾妻....
活人形」より 著者:泉鏡花
儀は恐々手を曳いて導けば、怪しき婦人は逆らわず、素直に夫婦に従いて、さもその情を謝するがごとく秋波斜めに泰助を見返り見返り、蹌踉として出行きぬ。 面にべったり....
西航日録」より 著者:井上円了
宜を得さしめ、遠近の学校および紳士等にいちいち紹介の労をとられたるは、余が深く感謝するところなり。 バルレー村には三月十一日まで滞留し、その翌十二日より英国の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。その間、エッシェー氏の周到なる注意と懇特なる歓待をかたじけのうせるは、大いに深謝するところなり。 十日、炎晴。午前十時、ミュンヘン着。金子恭輔、井出健六、瀬....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
ることができたよ。そのうえ、おちついてたばこをすうことまでできたんだ。まったく感謝するよ。しかし、ケンプ、きみは学生時代と、ちっとも変わっていないな。きみのよう....