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謝絶
「謝絶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
謝絶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
れから決闘にでもなるのですか?
保吉 いや、ただ夫は達雄の来た時に冷かに訪問を
謝絶《しゃぜつ》するのです。達雄は黙然《もくねん》と唇《くちびる》を噛んだまま、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
う占星図を作製したのであるが(第十四図)、後にはついに占星学上の計算をすることを
謝絶するに至ったということはケプラーのために特筆すべき事実である。それにかかわら....
「振動魔」より 著者:海野十三
博士を呼んではならないということを、家人に要求したのだった。何故に名医白石博士を
謝絶したのであるか。生命をかけてまで、排撃したのであるか。 それについて、柿丘....
「蠅男」より 著者:海野十三
のとおらないところにある掲示を、苦心して読み取った。 ――当分旅行ニツキ訪問ヲ
謝絶ス。十一月三十日、鴨下―― 「ウン、鴨下――というか。ここの主人公の名前だな....
「超人間X号」より 著者:海野十三
《たんか》でしずかに病室へ移すよう命じた。そして当分のうち絶対《ぜったい》に面会
謝絶《めんかいしゃぜつ》を申しわたした。 少年たちは、だからもうそれ以上博士か....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
、たといいかなることありとも、母上の御心に合わぬ事は誓ってせまじ。」 と手強き
謝絶に取附く島なく、老媼は太く困じ果てしが、何思いけむ小膝を拍ち、「すべて一心|....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
がですな、一人で買切っておいでになりましても、途中、その同乗を求むるものをたって
謝絶いたしますと、独占的ブルジョアの横暴ででもありますかのように、階級意識を刺戟....
「露肆」より 著者:泉鏡花
は頂きやせん、材あかしの本を売るのでげす、お求め下さいやし。」 「ふむ……投銭は
謝絶する、見識じゃな、本は幾干だ。」 「五銭、」 「何、」 「へい、お立合にも申....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
いたのであった) もうこの日は誰も付いて来なかった。勿論それは純之進の方からも
謝絶したので、わずかに山田家の下男が道案内に立ったに過ぎなかった。但し若党は供に....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
遮られて今日までのびのびになっていることが畏く存ぜられますので、他の一切のことを
謝絶していますが、間々の謡曲の稽古だけは娯しみたいと思っております。....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
方へ行って見ました。薄暗い扉に紙を貼って、昨日の日づけで、診療の都合により面会を
謝絶いたし候――医局、とぴたりと貼ってある。いよいよ穏でない。 それまで見たが....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
ンナ名士でも突然訪問して面会出来るものと思い、また訪問者には面会するのが当然で、
謝絶するナゾとは以ての外の無礼と考えていたから、何の用かと訊かれてムッとした。 ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
する場合と同じ疑懼心が手伝って、眼が窪み肉が瘠せるほど苦辛し、その間は全く訪客を
謝絶し、家人が室に入るをすら禁じ、眼が血走り顔色が蒼くなるまで全力を傾注し、千鍜....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
し船長の報告により、低気圧すでに去り、石炭も不足せざる見込み立ちたれば、救助船を
謝絶せりというを聞きて、みな愁眉を開く。 一月二十一日(日曜)、晴れ。午前より....
「赤兵の歌」より 著者:江森盛弥
て来たのだ。 俺達はボイラーの前からスコップを投棄てて来た。 俺達は「就業中面会
謝絶」の工場から、 屋根までガタガタ呻らせる動力を止めて来たのだ。 俺達は飢餓の....