謳う[語句情報] » 謳う

「謳う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

謳うの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
。かくて最初の四節は理性の健全な時の精神を歌っている。後の二節はその理性の崩壊を謳う。「赤く輝く窓」は狂人の血走った眼であり、「大いなる物影」は狂人の妄想《もう....
足迹」より 著者:徳田秋声
暗い町中にはところどころに人立ちがしていた。広い空地に集うている子守の哀れな声で謳う唄の節が、胸に染みるようであった。お庄らの入って行ったところは、近ごろの普請....
藤村の文学にうつる自然」より 著者:宮本百合子
日清戦争の勝利によって、新しく世界へ登場するようになったばかりの日本の社会には、謳うべくしてその言葉を知らないような新鮮な亢奮が漲ってもいただろう。与謝野晶子が....
自然描写における社会性について」より 著者:宮本百合子
あろうか。これに答えるのは、今日の農民の貧困の現実がある。農村の生活で自然の美を謳うより先に懸念されるのはその自然との格闘においてどれだけの収穫をとり得るかとい....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
て、波も動かぬ時津風、枝を鳴らさぬ御代なれや、と勿体ない、祝言の小謡を、聞噛りに謳う下から、勝負!とそれ、銭の取遣り。板子の下が地獄なら、上も修羅道でござります....
死者の書」より 著者:折口信夫
しょう。 当麻路に墓を造りました当時、石を搬ぶ若い衆にのり移った霊が、あの長歌を謳うた、と申すのが伝え。 当麻語部媼は、南家の郎女の脅える様を想像しながら、物語....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
出た。お葉は東京深川生れの、色の稍蒼白い、細面の、眉の長い女であった。彼女は自ら謳うが如く「心さびしい」のであろう、少しく眉を顰めつつ晴れたる空を仰いでいた。 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
即位あらせられしお若きみかどの、比類のない御英邁さを伺うにつけ。また、天皇親政と謳うて、時弊の刷新に、意気をあげている一部の公卿がたをながめましても」 「オ。思....
私本太平記」より 著者:吉川英治
言語道断だ」 ごうごうと、こう誹る声もあり、また、 「一|禅寺に、暦応の年号を謳うなども、以てのほかな僭上だ。ゆらい年号を寺名に冠する寺は、国家第一の比叡山|....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
の内の二ヵ所の遺跡で「後醍醐天皇の御配所の地はこちらでござい」と大声で家元争いを謳うという珍風景を呈しているわけである。どうも困ッた問題だ。さだめし後醍醐も地下....