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識別
「識別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
識別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
、それはすこしも判っていない。こんなに多くの証拠をのこして置きながら、犯人自身の
識別に関するものは、今のところ一つも見当らないのです。この犯人は、犯罪にかけて非....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
の電極に触れて感電死したことによるもので、二人共全身黒焼けとなり一見いずれが誰と
識別し難いが、一人は勤務中であった技手土岐健助、一人は喜多公こと田中技手補である....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
に印された指紋をとろうと思えば、まるで団扇を重ねたように沢山の人々の指紋だらけで
識別もなにも出来たもんじゃない。この泥足の跡も結構だが、これでは銀座街頭で足跡を....
「赤外線男」より 著者:海野十三
があったのだ。彼女は赤外線も赤い色も判別する力はない。それは赤外線も、吾々が赤を
識別できると同様、アリアリと眼に映るからだ。しかし彼女は危険を感じて、吾々の眼に....
「蠅」より 著者:海野十三
ついても、早速思いあたらねばならなかったのであるが、幸か不幸か、私には蠅の雌雄を
識別する知識がなかったのである。 実は私は――理学博士|加宮久夫は、本日医師の....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
灯とが載っていた。近視鏡もその程度では、ただ輪廓がぼっとするのみのことで、事物の
識別はほとんど明瞭につくはずであるから、それには一顧する価値もなかった。法水は、....
「火星探険」より 著者:海野十三
写幕へうつしだされているわけだ。 しかも映像は、肉眼で見るよりずっと明るく物の
識別ができた。これはこのテレビジョン装置が、赤外線に対し非常に敏感にできるためで....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
龍の頭上に被せて、それを次第に縮めて行ったからだ。胎龍のその時の状態では、てんで
識別出来よう道理がない。そして、提灯の縮小につれて、妄執の火が次第に濃くなって行....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
声にまとまっていくのだった。 しかし、渚を離れて、その幾艘かの小舟が、ほとんど
識別し難い点のようになると、入江の奥は、ふたたび旧の静寂に戻った。 その時慈悲....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
感じが強い女だった。嘘吐きで、お人好しで、人に瞞されやすく、自分の行為に、善悪の
識別というものを持たない。彼女は、恩顧をうけた三伝を裏切って、彼が来たことを他の....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
である。休養的教養(recreative culture)とは、先ず諸種の快楽を
識別する能力を意味し、次ぎに更に新しき力を齎らす生産的な快楽を選んで不生産的な快....
「晩春」より 著者:岡本かの子
ふけまで眠らせなかった。魚と、鈴子の胸のわだかまりに何の関係があるのかさえ彼女は
識別しようともしなかったが……鈴子は二十歳を三つ過ぎてもまだ嫁入るべき適当な相手....
「米」より 著者:犬田卯
り気味で、誰と誰がどこに突っ立っていて、誰が米俵の方を注視していたか、そのときは
識別しなかったが、あとで考えると、「米は何俵あったかね」と訊ねて、俵の方へ近づい....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、同一世に住むとは思わず、同胞であることなどは忘れてしまって、憂きことを、憂しと
識別することさえ出来ぬまで心身ともに疲れ果てたその家この家に、かくまでに尊い音楽....
「妖怪学」より 著者:井上円了
よりて起こるゆえんの理を推して知ることを得べし。およそ時間の記憶およびその長短を
識別する力は、脳中の諸記憶の比較対照より起こらざるはなし。例えば、上図のごとく、....