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「識見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

識見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
所謂「床屋政治家」とはこう言う知識のない政治家である。若《も》し夫《そ》れ識見を論ずれば必ずしも政治家に劣るものではない。且《かつ》又利害を超越した情熱に....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
髏と、竹如意と、横笛とが、あるいは燃え、あるいは光り、あるいは照らして、各々自家識見の象徴を示せるごとくに、 そういえば――影は尖って一番長い、豆府屋の唐人笠....
最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
うことが、政権をもとりあげることになるというところに目をつけたのが、この計画者の識見のすぐれていたことを見せている。 村の大きなもの、郡の広さで国と称した地方....
二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
を行使して、国民多数の意志を蹂躙するに在る。国家に対する忠愛の熱情と国政に対する識見とに於て、生死を賭して所信を敢行する勇気とに於て、彼等のみが決して独占的の所....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
なかんずく大作に富めると、その作の規模結構の大なると、その態度の厳粛なると、その識見の高邁なると、よく馬琴に企て及ぶものは殆んどない。 が、作に秀でたのは、鯛....
迷信解」より 著者:井上円了
おるから、臨機応変の解釈を付けることができる。それゆえに、筮者の方が経験に富み、識見に長ずる人ならば、その判断のあたる割合が多くなるわけじゃ。よって、たとえよく....
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
拍車を加えてその編集と普及との万全に努力しようと思う。田口卯吉先生は学者として、識見家として尊敬すべき方であるが、出版の先覚としても私は常に私淑している。先生が....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
熟で、年齢を早めて入学したからマダ全くの少年だった。が、少年の筆らしくない該博の識見に驚嘆した読売の編輯局は必ずや世に聞ゆる知名の学者の覆面か、あるいは隠れたる....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
は沼南の志が世俗の権勢でなかったからばかりではない。アレだけの長い閲歴と、相当の識見を擁しながら次第に政友と離れて孤立し、頼みになる腹心も門下生もなく、末路|寂....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
は文人としては第二流であるが、新聞記者としては有繋に露西亜有数の人物だけに興味も識見も頗る広く、日本の文人のような文学一天張の世間見ずではなかった。随って思想上....
鮟鱇一夕話」より 著者:北大路魯山人
、あんなもの問題じゃない。金魚の餌でしょう」とタンカを切っておられたが、その味覚識見はさすが見上げたものだ。そうはっきりいってのけられるだけのパン食通は、ざらに....
現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
というものをもって、今の十職と比し、とやかく差し出口することは、身のほど知らずの識見といえばいえるのである。あえて十職にかぎらず、何職人であろうとも二百年も三百....
西航日録」より 著者:井上円了
国的にあらず、一時に急激なるも、永く堅忍するあたわず、小事に拘泥して全局をみるの識見に乏し。人を品評し褒貶するに巧みなるも、自ら進取し実行するの勇を欠く。幸いに....
松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
唱うる者なり、曾て新井貝原両先輩が易読の文を綴りて有益の書を著わすを見て常に其の識見の高きを感ずれども、然れども尚其の筆を下すや文に近く語に遠きを恨みとなす、維....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は「学問に依りて道徳が向上せらるる如くまた学問に依り戦術は発達を遂げ、将軍はその識見と確信を増大して会戦はますますその数を減じ、結局戦争が稀となるであろう」と論....