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「譜面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

譜面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
がない。さきの事はさきの事で、また、何とか、人生のおもむきは変ってゆくであろう。譜面台のない人生が未来にはある。私はそう思う。自分の運命なンか少しも判ってはいな....
この初冬」より 著者:宮本百合子
なかった。 父が何年も何年も前に一つの鏡を私にくれた。古風な唐草模様のピアノの譜面台らしいものに長方形の鏡をはめこんだもので、今だにそれを箪笥の上に立てかけて....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
父が時たまとりだして、安座《あぐら》をかいて、奏管《ろかん》(琴爪)で琴につけた譜面の星を、ウロウロ探しあてて弾いていた。大かた九世団十郎時代の、お弟子の一員で....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
肖像がかかっていて、茶ダンスのこっちは、やっぱりおなじみのタンス。上に小さい鏡(譜面台を直したの、動坂頃もあった)くしなど。これでも随分「見たような」感じが増し....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
いていた。目《もく》の数を辿りながら読んでいった。終りまでくると、碁盤を引寄せて譜面通りに石を並べ、その先を一人でやってみた。一寸した心の持ちようで、白が勝った....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
れはすまいかと、最後の瞬間まで心配していた。小さな眼をきょろつかして、バスひきの譜面台を覗《のぞ》き込んでは、楽譜の表題が待ち受けてる曲のそれであるかどうか見よ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
《しわ》を寄せて注意を凝らしながら、埃《ほこり》深い薄暗い劇場の広間に、奏楽席の譜面台に向かってすわっている。晩、他の子供らが寝ている時にも、彼は椅子《いす》に....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。 すてきな一日だった。 クリストフはもう外に出ていた。下劣な楽長がその譜面台から離るるのを見るや否や、彼は桟敷《ボックス》の外に飛び出したのだった。楽....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ざ》を暗記していた。その他、ラ・フォンテーヌ、ボアロー――ボアローの詩論やことに譜面台――オルレアンの少女の著者、フランス十八世紀の小詩人ら、などからも養われて....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
口、健やかな真白な歯並みからもれるやや重々しい残忍な逸楽的な微笑、一方をピアノの譜面台の上にのせてる美しい強い両手、それから身体の頑健《がんけん》な骨組み、など....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
pable は同じ語原である)。祭典の日や日曜には、四人の歌唱の母たちが、四つの譜面台のついてる大きな机の前で祭式を歌う。ある日一人の歌唱の長老が、エッケ(ここ....
映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
うな気がするのである。 リストが音楽商の家の階段を気軽にかけ上がって、ピアノの譜面台の上に置き捨てられたショパンの作曲に眼をつけて、やがて次第に引入れられて弾....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
る。心得ておりながらモットよい音楽がほしい、出来るかもしれない、世界共通の音階と譜面と、その融和性とは、かならず新日本の音楽が生れ、独特の国民性は何かの機会にお....
山の声」より 著者:宮城道雄
強をしたいと思えば、独逸《ドイツ》で出来ている、点字のオーケストラやピアノの曲の譜面があるので、それを手で探り探り読むのである。 私はいつでも作曲するのに、晩....
変身」より 著者:カフカフランツ
リンを弾いているかのように答えた。三人は部屋にもどって待っていた。まもなく父親は譜面台をもち、母親は楽譜を、妹はヴァイオリンをもってやってきた。妹は落ちついて演....