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警め
「警め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
警めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
て行くのか、ほんとうにわからなかった。恐ろしい境界に臨んでいるのだと幾度も自分を
警めながら、君は平気な気持ちでとてつもないのんきな事を考えたりしていた。そして君....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
余裕もないからであった。のみならず、筒袖、だんぶくろ、それに帯刀の扮装で、周囲を
警め顔な官吏が駕籠のそばに付き添うているからで。 しかし、公使らを乗せた駕籠の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
扇子を手にして、彼は御通輦を待ち受けた。 さらに三十分ほど待った。もはや町々を
警めに来る近衛騎兵の一隊が勇ましい馬蹄の音も聞こえようかというころになった。その....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
喪中は座敷に簾をたれて白日をさえぎり、高声に話しする事も、木綿車を回すことさえも
警められた。 すべてが落着した時に、庭は荒野のように草が茂っていて、始末に困っ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
も絶対に存在しないのである。 ただ罰する場合だけは、なるべく少数を罰して、他を
警める方針を採っている。 内村鑑三先生はある時私に対って『日曜日だけは商売を休....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
との優れた先生があった。この先生は私を愛して下さって、いつも「才気をつつしめ」と
警めて下さった。 がこの先生は一方愛国者であった。いつも「今の日本にとって最も....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
散ったが、それでも逃げようとしないのは、不思議なほどの度胸であった。彼らは口々に
警め合った。 「手強いぞよ手強いぞよ!」「用心をしろよ用心をしろよ!」 ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
役不足さ」 「贅を云うな。……さあ行こう」 歩き出したところへ四五人の武士が、
警め合いながら近寄って来た。 「待て」 「へい」 「何者だ」 「ごらんの通りで…....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
往来の人影がなくて、寂しいまでに静かであった。
と、拍子木の音がしたが、非常を
警めているのでもあろう。丸太町あたりと思われる辺から、人をとがめる犬の吠え声が、....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
愛宕山に傾きかけたかすかな月の光が、さながら夢のように水の面を照している。水脈を
警める赤いランターンは朦朧とあたりの靄に映って、また油のような水に落ちている。 ....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
なだけに一途な性分でどこまで行くか知れない自分ではないか。日頃同じ性質の兄と共に
警め合っているのはこれではないか。これはまるで薪を抱く人間が火事を救いに行くよう....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
がおもしろくなくて、広島に診察を受けに来ました。医者は今が大切な時期であることを
警めて、私にこの冬期を温かい海辺で過ごすように勧めました。で私は四、五日前にここ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
る。
エジプトのマリア
主を据ゑまつりし
いと畏き所に頼りて願ひまつる。
警めて門より我身を押し出だしし
腕に頼りて願ひまつる。
沙漠にて我が怠らずなしし....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
どが、その職務に従事していた事の引続きであった。桂里辺の散所雑色をして、野荒しを
警めしめられたいとの事は、藤原明衡の「雲州消息」に見えている。坂の者の中の或る者....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
様子が見られなかったという。娘は屡々里へお客に来た。或時決して見ることはならぬと
警めて、一間に籠ったのを、母親が怪んで窃に覗き見ると、盥の中でお産をして、三疋の....