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「警抜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

警抜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
も、これなりこの奇男子と別れたくないような気持が、折竹にだんだん強くなってきた。警抜なる挙措、愛すべき図々しさ。なんという、スッキリとした厭味のないやつだろう。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
が続かぬ。 「翻訳でも頼まれたか、前世は牛だとか、午だとか。」 と串戯のような警抜な詰問が出たので、いささか言が引立って、 「いいえ、実はその何でございまして....
運命」より 著者:幸田露伴
狂言の妙より妙に、才子の才も敵する能わざるの巧緻あり、妄人の妄も及ぶ可からざるの警抜あらんとは。吾が言をば信ぜざる者は、試に看よ建文永楽の事を。 我が古小説家....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
同じ新聞社の編輯局に可なり久しく居たのであったが、故人は才華発越、筆をとれば斬新警抜、話をすれば談論火花を散らすに引易え、彼はわれながらもどかしくてたまらぬ程の....
読書法」より 著者:戸坂潤
化専門家は残念ながら思想的評尺の然るべきものを持たず、批評家に欠くことの出来ない警抜さと烱眼とを持たなかった。真の思想の力関係を見て取ることが出来なかった。そし....
伊太利亜の古陶」より 著者:宮本百合子
ルジョ程の名工が一生に同趣向の作を二つも遺すことがあり得るだろうか。疑なく図案は警抜といえた。或はジョルジョ自身ひどくこの作を愛し、身辺に置いて眺めようと更に一....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ぬワナがあるのである。 一体和辻氏の一般的な哲学上の方法は、一見極めて天才的に警抜に見えるが、他方また甚だ思いつきが多くて御都合主義に充ちたものであることを容....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
義することが無意味なのである。処でこのニュアンス故に、アイロニーやパラドックスや警抜な特色づけが可能となり、これ等諸概念が弁難的な、弁証法的な対立諸側面を示すこ....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
動機を見ておくことも亦右に劣らず大切な要点となるだろうと思う。氏の独創的なそして警抜な眼光は、決してそれ自身の内部的な情念の必要からばかり働きはじめたのではない....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ているジョンソンがやはり十八世紀年代という時代の特色は十分もっていて、その有名な警抜さというものもつまり現代にショウがいると同じ本質のものですね。つまり常識です....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
こらしています。 結局、翻訳として、どうしてもままにならぬのは、ロスタン好みの警抜斬新な脚韻のふみ方だと思いますが、これに代る面白味として、翻訳者は、巧みに、....
魔都」より 著者:久生十蘭
れるのである。 この人物は大正十一年の東大哲学科の出身で、「矛盾の哲理」という警抜な卒業論文によって今でも同期生の記憶に残っている秀才だが、卒業すると同時に引....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
のであります。実にどうも綿密なことを考え出したもので、然らば陳東海なる者は極めて警抜《けいばつ》な才を持った人間だという他はありません。……では、どんな方法で陳....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
急逝して私を哭《な》かしめた四代目小さん君はその頃馬楽で、手堅い渋い話術の中に警抜な警句を言い放ち、一部の寄席ファンをして随喜せしめていた。睦会の方には、いま....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
しい情緒の世界の設立は禁断であらねばならぬ。もとより院の御製はやはり『枕草紙』に警抜な調子で「春は曙」といい、「秋は夕暮れ」と決められた、あの王朝四百年の感覚に....