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警防
「警防〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
警防の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第五氷河期」より 著者:海野十三
屋は数しれず、しかも先年の震災のときと同じように市内七十数カ所から、火災が出た。
警防団は、すぐさま手わけをして、組織的な消防作業をはじめた。市民たちは、すこしば....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
館の新青年女史がきて「あれは十番のカーブを電車が急に通った時に高音を発し、それが
警防団員の耳に焼夷弾が落ちたように響いたものです」と訂正した。時節柄、神経過敏の....
「斜陽」より 著者:太宰治
、かまどの火の不始末だよ、と声高に話すのが聞えた。 村長の藤田さん、二宮巡査、
警防団長の大内さんなどが、やって来られて、藤田さんは、いつものお優しい笑顔で、 ....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
。康子は小さな甥の手をひいて、とっとと先頭にいる。(彼女はひとりで逃げていると、
警防団につかまりひどく叱《しか》られたことがあるので、それ以来この甥を借りるよう....
「火星兵団」より 著者:海野十三
所から出て、中にはたいへん広がったところもあったが、多くは、日頃訓練のとれている
警防団や、隣組などの働きで、余り大きくならないうちに消しとめられた。一番被害の大....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
慰めてやってくれ」 間もなく、当番兵につれられて、部屋へ入ってきた壮漢、見れば
警防団服に身を固めていて、ちゃんと右手もついている。 新しい
警防団員 「お....
「夏の花」より 著者:原民喜
なきわめ》く声がする。路傍に斃《たお》れて反転する火傷の娘であった。かと思うと、
警防団の服装をした男が、火傷で膨脹した頭を石の上に横《よこた》えたまま、まっ黒の....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
次の機会、それは路上であった。突然、空襲警報がなり、道の防空壕に私と彼女は、
警防団の人達の命令で他の通行客と押づめになりながらいそいではいった。私は彼女の手....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のところ、演習まだ大したことなし。八百やが来て夕方から空襲があります由。今年は、
警防団その他はなかなか具体的にやっている様子ですが、町内は割合気がしずかですね。....
「崖下の池」より 著者:豊島与志雄
聞え、火焔が流れ、夜は蒼白くなり、次に赤くなり、そしてどの家も一斉に燃えだした。
警防団員として警戒に当っていた増二郎は、もう警戒どころではなく、火のトンネルの中....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
ろすると、けとばす。けころがす。ふみつける。 村にも消防隊というものがあった。
警防団もある。おまけに巡査もいる。これが火の手を見て一とかたまりに駈けこんできて....
「ちかごろの酒の話」より 著者:坂口安吾
段をしてくれるからであつたが、するとこの行列に必ず石川淳がゐたものだ。彼は麻布の
警防団で背中に鉄カブトをぶらさげてションボリ列んでゐるのだが、ところがこのウヰス....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
政の現われ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオのばかばかしさや、さては、町会、隣組、
警防団、婦人会といつたような民間の組織がいかに熱心にかつ自発的にだます側に協力し....
「神経」より 著者:織田作之助
香の煙の立つことが稀になり、もう殺された娘のことも遠い昔の出来事だった。 夜は
警防団員のほかに猫の子一匹通らぬ淋しい千日前だった。私は戦争のはじまる前から大阪....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
市の衛生課、医師会、警察、みんなかねての計画どおり手際よく救護陣を敷いた。近郊の
警防団がさかんに活躍している。大村の海軍病院も泰山院長の指揮でいち早く救護隊を繰....