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譬え
「譬え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
譬えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
へ行くのが悪いんなら、(どうでもして下さい、御心まかせ。)何のって、そんな事が、
譬えにも島山に言われるもんですか。 島山の方は、それで離縁になるとして、そうし....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
くその質を省みない。表現材料の精選よりもその排列に重きをおく。「始めて美人を花に
譬えた人は天才であるが、二番目に同じことをいった人は馬鹿だ」とヴォルテールがいっ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
産毛の様な髯が生い茂って居る。下※の大きな、顴骨の高い、耳と額との勝れて小さい、
譬えて見れば、古道具屋の店頭の様な感じのする、調和の外ずれた面構えであるが、それ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
所は、また御守護の神々仏様も、出入をお止め遊ばすのでございましょうと存じます。」
譬えば仙境に異霊あって、恣に人の薬草を採る事を許さずというが如く聞えたので、これ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
と言うのを一見に及ぶと、片隅に立掛けた奴だが、大蝦蟆の干物とも、河馬の木乃伊とも
譬えようのねえ、皺びて突張って、兀斑の、大古物の大かい革鞄で。 こいつを、古新....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
におぶった、そ、その心持というものは、紅蓮大紅蓮の土壇とも、八寒地獄の磔柱とも、
譬えように口も利けぬ。ただ吹雪に怪飛んで、亡者のごとく、ふらふらと内へ戻ると、媼....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
長く吠えた。その声はさも希望のなさそうな、単調な声であった。その声を聞くものは、
譬えば闇の夜が吐く溜息を聞くかと思った。その声を聞けば、何となく暖かい家が慕わし....
「露肆」より 著者:泉鏡花
「爽かに清き事、」 と黄色い更紗の卓子掛を、しなやかな指で弾いて、 「何とも
譬えようがありません。ただ一分間、一口含みまして、二三度、口中を漱ぎますと、歯磨....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
沼の上へ擢んでたのが、峰から伸出いて覗くかと、頭に高う、さながら馬の鬣のごとく、
譬えば長髪を乱した体の、ばさとある附元は、どうやら痩こけた蒼黒い、尖った頤らしく....
「山吹」より 著者:泉鏡花
頃に、はい、大い罪障を造ったでござります。女子の事でござりましての。はい、ものに
譬えようもござりませぬ。欄間にござる天女を、蛇が捲いたような、いや、奥庭の池の鯉....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
辞が気にくわねえや、何ていう口つきだ、もう一度あの、ふァふァを遣らねえか。いや、
譬えようのない異変な声だぜ、その饒舌る時の歯ぐきの工合な、先生様の嫌な目つきよ、....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
船はちゃんころでも炭薪ゃ積まぬというのが唄にもある。こんな小さな家だって、これは
譬えば、電気の釦だ。捻る、押すか、一たび指が動けば、横浜、神戸から大船が一艘、波....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ぞろぞろ、ばたすたと続いて行く。 八郎は吻と息して、 「何とも、彼とも、ものに
譬えようがありますまい。――無理解とも無面目とも。……あれで皆木戸銭の御厄介です....
「活人形」より 著者:泉鏡花
くようなりしが、怪しいかな影法師のごとき美人静々と室の中に歩み出でたり。この幻影
譬えば月夜に水を這う煙に似て、手にも取られぬ風情なりき。 折から畳障りの荒らか....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
った紅葉の間から躯のこなしを様々にかえる。その中に自分の居ることを発見し、驚愕|
譬えようがないといった風に慌てて枝を離れて、一声高く鳴き声を山中の気に顫わして矢....