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譲り受ける
「譲り受ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
譲り受けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
行後には、両親の死後何かに尽力したという親類の某が、二束三文《にそくさんもん》で
譲り受ける事に親族会議で決まってしまった。少しばかりある株券と地所《じしょ》とは....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
那がなくなられますと、すぐ手紙が参りまして、儂はなくなった人の甥っ子だが、別荘さ
譲り受ける事になったゞから、前々通り管理していてくんろっていって来ましたゞ。それ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
合って改めたこともあった。そこは賄賂の力である程度までの出世もでき、御家人の株を
譲り受けることもできたほどの時だ。規定の貫目を越えた諸藩の荷物でもずんずん御貫目....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の午後、勝重は伏見屋の主人(二代目伊之助)と連れだって万福寺の門前に出た。寺より
譲り受ける墓地の交渉もまとまったので、勝重らはその挨拶を兼ね、ついでに師匠を葬る....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
、労少くして功多きことを得るであろう。かつ兄の当然持っておるべき身代を、妹として
譲り受けるということは望ましい事ではない。そうして置いては、兄の隠居が何事をしよ....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
名器「玉山」を是非譲ってくれと頼んだが歌寿は亡夫の形見だからと断った。 無理に
譲り受けると、大自慢で他人に見せびらかした。 哲也は又かねてから音絵をねらって....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
た名家だということ。 その家から、この関守を仲立ちとして、若干の地所をお銀様に
譲り受けることになったものらしい。そうして、その地所というのは、どの辺にあるかま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
え考えて来ているうちに考えついたのはどうでしょう――あの御殿そっくりを、お寺から
譲り受けることはできないものでしょうか。譲り受けて、丹念に取毀《とりこわ》し、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が拙者に譲る気づかいもなし、拙者もまた、微禄《びろく》して、恥かしながらこの刀を
譲り受けるだけの金が無い、それ故に少し荒っぽい療治をしてこの刀をぶんどった」 「....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の女軽業の親方は顔がいいし、じゃの道は蛇《へび》だ。 熊の子を、香具師の手から
譲り受ける交渉やなんぞには、親分の道庵先生を頼むよりは、この親方のお角さんに渡り....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
話であってみると、足利尊氏《あしかがたかうじ》以来の名家、西美濃の水野家の土地を
譲り受けるということであったが、ここへ来て見ると、これは見る通り胆吹山の南麓より....
「程よい人」より 著者:豊島与志雄
ある。その中で、靴下とかシャツとかいう日用品の、而も数量の半端なのを、私は時折、
譲り受けることにしていた。妹にも少し買ってやった。薄茶のウールの洋服地があったの....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
軍に食パンを納めていたからで、御用という字が一種の誇りにもなったのであろう。私は
譲り受けるとすぐこの御用の字を塗りつぶしてしまった。私は御用商人が嫌いであった。....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
して、品物も新しそうに見え、甚だ心地よいものである。 世人はとかく他人の古店を
譲り受けるよりは、新しく店を開いて、屋号も自分の郷里(世人には何の興味もない)の....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
いうとその頃の数寄者仲間には知られた人で、同氏が所持していたものといえば、それを
譲り受けるにも人が安心した位、信用のあった人でありました。 この柏木氏は今申す....