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譲渡
「譲渡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
譲渡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
もなっていないような気がした。或時は、着物の出来るのが嬉しかったり、或時は財産を
譲渡されると云う、遠い先のことに朧げな矜《ほこり》を感じていた。そして妹達に比べ....
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
、後頭氏もこれにかぶせて、 「先生のお力を持ちまして、一時間でも早く、あの権利を
譲渡していただきたいのです。先生へは充分御礼をいたします。成功報酬は、千円でも二....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
れ密々話さ。」 誰も否とは云わんのに、独りで嵩にかかって、 「紙入を手から手へ
譲渡をするなんて、そんな、不都合な、後暗い。」 「だがね、」 とちょいちょい、....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
」 「いいえ。逃げていると云う訳ではありません」 静子は躍起となった。 「この
譲渡しの手続きさえすめば進んで警察へ出頭するものと信じて居ります」 「所がね、奥....
「読書法」より 著者:戸坂潤
明らかだろう。 調査の課題は、各新聞の企業形態、資本金及び収益、新聞企業持分の
譲渡性、の三項目を主とし(企業持分の
譲渡性というのは、新聞紙がただの商品ではなく....
「一坪館」より 著者:海野十三
ゆずって下さいませんか」 といった。 おかみさんはもちろん承知して、その場で
譲渡証を書いてくれた上、土地の登記について矢口家の弁護士への頼み状までそえてくれ....
「金属人間」より 著者:海野十三
もあるが見ますか」 「ええ、見せていただきましょう」 警部はけっきょくその死体
譲渡書《したいゆずりわたししょ》が、正しい手つづきをふんであることをたしかめた。....
「大脳手術」より 著者:海野十三
なって、先生を診察台の上へねじ伏せると、かの私の生れついた美しい両脚を珠子づれに
譲渡したことを詰った。しかし先生は、私の無礼を咎めもせず、静かな声で、一旦君から....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
てその箱に手をかけていたということだ。後に家運が衰えて、止むなく三井八郎右衛門に
譲渡さねばならなくなったが、せめて箱だけはと言って、そのまま残しておいたのを、と....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
に席を譲らねばならぬことになりそうなのだ。こう考えて見ると、法文経大学の私学への
譲渡説も無意味ではないだろう。教室の講義に較べてラジオ放送講義には多少の不便はつ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
だけなんだな、」と彼は考えた。そして、もともと学問的熱情などを持っていない(財産
譲渡証書作成のことだけは別であるが)男なので、「ただそれだけのことさ!」とつけ加....
「怪異に嫌わる」より 著者:豊島与志雄
私は心動いて、その青江の刀を是非見せて貰いたいと懇望した。坪井君は承知して、但し
譲渡するわけにはゆかないと断り、郷里から刀を取寄せることにした。 坪井君が青江....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
るということである。もし人がこれら稀少な物の一つしかもっていないとすると、これを
譲渡してこれと交換に、自らもっていない他の稀少な物を得ることが出来る。そして人が....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
交際の私の許へまで遣したのを見るとかなり多数の知人に配ったらしいが、新聞社を他へ
譲渡すの止むを得ない事情を縷々と訴えたかなり長い手紙を印刷もせず代筆でもなく一々....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
したと思うと足をすべらして、地響うって転り落ちた。 彼等鉱山師達は住友へ鉱区を
譲渡したのだった。住友の当事者は、山代金を渡すとき、北海道まで大金を持参するのは....