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谷町
「谷町〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
谷町の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
ところ五六丁を過ぎ、薄暗い町を三十分程走って、車屋は車を緩めた。 「此の辺が四ッ
谷町でござりますが」 「そうか、おれも実は二度ばかり来た家だがな、こう夜深に暗く....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
》の親類をたずねて、ここで午飯《ひるめし》を馳走などになって、それから千駄ヶ谷|
谷町《たにまち》に住んでいる親類をたずねることになりました。その親類もやはり下総....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
ていた。 「それでは、今夜はただちに帰宅して休息いたし、明日《あした》早天に、山
谷町出口の茶屋で待ち合わすことにいたそう」 淳庵は、座中を見回していった。一座....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
いた。母は階下で見知らぬ人といた。野瀬安二郎だと、あとで判った。 野瀬安二郎は
谷町九丁目いちばんの金持と言われ、慾張りとも言われた。高利貸をして、女房を三度か....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。岡崎屋は小石川の白山前町にある。嫁のおそよの実家もやはり酒屋で、小石川|指ヶ
谷町にある。双方が同商売で、しかも近所であるために、互いに得意先を奪い合ったのが....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
るなんて、あたし一生の不運だと思っていますわ、なんでもいいんです」(東京郊外、渋
谷町鶯谷アパートにて) 「大江山警部。年齢三十七歳。警視庁刑事部捜査課長。在職満....
「わが町」より 著者:織田作之助
の手つきを見るなり、他吉は胸が熱くなり、寒い風が白く走っている戸外へ飛び出した。
谷町九丁目の坂を駈け降りて、千日前の裏通りに出ているお午の夜店へ行くと、お鶴が存....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
日は夜店出しの書入れ時だと季節はずれの扇子に代った昭和四年度の暦や日めくりの店を
谷町九丁目の夜店で張っていると、そんなところへも色町からくりだした踊りの群が流れ....
「雨」より 著者:織田作之助
。母は階下の部屋で見知らぬ人といた。野瀬安二郎だとあとで分った。 野瀬安二郎は
谷町九丁目いちばんの金持と言われ、慾張りとも言われた。高利貸をして、女房を三度か....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
出来ず新子はあわてて、自分で学校を廃めてしまい、母を勧めて、家賃の安いここ、四谷
谷町の家へ越して来たのであるが、しかしそれは半年で駄目になる生命を、やっと一年に....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
番町ともいう)と二番町、濠端一番町を含み、上二番町と下二番町は裏二番町通り、麹町
谷町北側、表二番町通り南側を含み、五番町は濠端一番町の一部と五番町を合せているの....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
て置こうと思い立って、治三郎はその日の朝から上野の山を出た。菩提寺は小石川の指ヶ
谷町にあるので、型のごとくに参詣を済ませ、寺にも幾らかの供養料を納め、あわせて自....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
沢は土砂降りの雨にびっしょり濡れながら、外語学校の前の焼跡の道を東へ真直ぐ、細工
谷町の方へ歩いていた。 夜更けのせいか、雨のせいか、人影はなかった。バラック一....
「手長と足長」より 著者:喜田貞吉
しかし手長明神は貝塚にのみ伴うているのではない。かつて武蔵大里郡を旅行して、深
谷町の東北、路傍の古墳の上に手長大明神と書いた幟の幾本も立っているのを見た事があ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
子の顔を見知っていて囁くものもあった。 その晩、夜とぎがあった。晩の九時頃に、
谷町五丁目の専念寺の和尚さんがやって来た。相当年を取った和尚さんであるが、立派な....