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「谺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

谺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
いる藤蔓《ふじづる》の橋を渡ろうとした。 が、その時賑かな笑い声が、静な谷間に《こだま》しながら、活《い》き活《い》きと彼の耳にはいった。彼は我知らず足を止....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
しんすい》として月色ますます昏《くら》く、夜はいまや全くその死寂に眠れるとき、※《こだま》に響き、水に鳴りて、魂消《たまぎ》る一声《ひとこえ》、 「あれえ!」....
高野聖」より 著者:泉鏡花
けには行くまいと思ったが、ふと前途《ゆくて》に、ヒイインと馬の嘶《いなな》くのが《こだま》して聞えた。 馬士《まご》が戻《もど》るのか小荷駄《こにだ》が通る....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
える。…… 立淀《たちよど》んだ織次の耳には、それが二股から遠く伝わる、ものの《こだま》のように聞えた。織次の祖母《おおば》は、見世物のその侏儒《いっすんぼ....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
間をひたひたと音訪れる気勢もする。……風は死んだのに、遠くなり、近くなり、汽車がするように、ゴーと響くのは海鳴である。 更に遠く来た旅を知りつつ、沈むばかり....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
根へ掛る中を、汽車は音もしないように静に動き出す、と漆のごとき真暗な谷底へ、轟とする…… 「行っていらっしゃいまし……お静に――」 と私はつい、目の前をすれ....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
朱の鳥居を一飛びにスーッと抜ける、と影は燈に、空を飛んで、梢を伝う姿が消える、とか、非ずや、雷神坂の途半ばのあたりに、暗を裂く声、 「カーン。」と響いた。 「....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
伏目に一目、きりきりと解きかけつつ、 「畜生……」 と云った、女の声とともに、が冴えて、銃が響いた。 小県は草に、伏の構を取った。これは西洋において、いや....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
りに逃げ出した。真鍮の金属性の音はいたずらに静かな大空にひびいて、荒野のあなたにしていた。ラザルスは海路を行った。 彼の乗船は非常に豪奢に装飾されていたにも....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
って、ちょいと留めて、一つ撓めておいて、ゆらりと振って放す時、得も言われず銀鈴がに響く。 小松原は、魂を取って扱かれるほど、ひしひしと身に堪え、 「……京か....
化鳥」より 著者:泉鏡花
呼ぶのは何だろう。冴えた通る声で野末を押ひろげるように、鳴く、トントントントンとにあたるような響きが遠くから来るように聞える鳥の声は、梟であった。 一ツでな....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
小児の諸声に交って、静に冴えて、松葉が飛歩行くような太神楽の声が聞えて、それが、に響きました。 おお! ここに居る。――流に添って、上の方へ三町ばかり、商家....
式部小路」より 著者:泉鏡花
れに居まわりが居留地で、寂として静かだから、海まで響いて、音楽の神が棲む奥山からでも返しそうです。その音楽の神といえば、見たまえ、この硝子窓の向うに見える、下....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
颯――と頸から、爪さきまで、膚を徹して、冷く、静に、この梢をあれへ通う、梢と梢でを打って、耳近に、しかも幽に松風が渡って響く、氷の糸のような調律である。 そ....
活人形」より 著者:泉鏡花
かねて評判が高いので、怯気々々もので歩いて行くと、甲走った婦人の悲鳴が、青照山のに響いて……きい――きいっ。「ああ、嫌否な声だ。「は――我ながら何ともいえぬ異....