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「豆飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

豆飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
獄中生活」より 著者:堺利彦
入りて立てば、木々の緑が滴るばかりに濃く見えるのだもの。 予の病妻は予の好める豆飯を炊いて待っていた。予は彼の如何に痩せたるかを見たる後、靴を脱せずして直ちに....
獄中消息」より 著者:大杉栄
からようやく昼飯の差入れがはいらなくなった。お蔭で監獄のうまい飯が食えた。久板が豆飯豆飯と言って喜んでいたが、その筈だ、いんげんがうんとはいっているんだ。この食....
丹下左膳」より 著者:林不忘
とのあいだに、闇黒《やみ》を通して問答がつづいてゆく。 「ホホウ! 泰軒どのが小豆飯を御所望とは、何かお心祝いの儀でもござってか――?」 「さればサ、ほんのわし....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
翌朝、男は近くの米屋から四合十銭の米と、八百屋から五銭の青豌豆を買ってきて、豌豆飯を炊いて、食べさせてくれました。そして、どうだ、拾い屋をやる気はないかと言う....
氷河」より 著者:黒島伝治
て自ら慰めるよりほか、彼等には道がなかった。彼等と一緒に兵タイに取られ、入営の小豆飯を食い、二年兵になるのを待ち、それから帰休の日を待った者が、今は、幾人骨にな....
外米と農民」より 著者:黒島伝治
、水加減を多くし、トロ火でやわらかくそしてふきこぼれないようにたいてみた。 小豆飯にたいてみた。 食塩をいれていく分味をつけてみた。 寒天をいれて、ねばり....
入営する青年たちは何をなすべきか」より 著者:黒島伝治
のたちは、送ってきた親や、同志たちと、営庭で別れる。そして、大きな茶碗で兵営の小豆飯を食わされる。 新しく這入った兵士たちは、本当に国家のために入営したのであ....
迷信解」より 著者:井上円了
だし、その身振りはおのずから狐のごとく、その声も狐をまねるようになり、「われに小豆飯、油揚げを与えよ」と呼ぶからこれを与うれば、二、三人前くらいを食して人を驚か....
食道楽」より 著者:村井弦斎
し》 海老《えび》のサラダ 秋 第二百十六 ライスカレー 豌豆飯《えんどうめし》 秋付録 米料理百種「日本料理の部」の....
山の人生」より 著者:柳田国男
と、果せるかな今日は昨日よりも、一層病人の挙動が疑わしくなり、まず食物の好みの小豆飯・油揚から、次には手つき眼つきや横着なそぶりとなり、此方でも「こんちきしょう....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
では紀州の熊野、備中あたりにも分布している。或いは炒米と甘藷とを合せ炊き、または豆飯であったり茶飯であったりするが、とにかくにどこでも味附け飯のことをそう謂って....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
。私などの田舎でも、夏の夕方の地蔵祭りは、村の子の最も楽しい時で、三角に結んだ小豆飯の味は、年をとるまで誰でも皆よく覚えています。 土地によっては寒い冬のなか....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
まわりでも、やはり同じ日を田の神送りと名づけて、もとは家毎に餅を搗き、あるいは小豆飯を炊いて祝いごとをしていた。この二つの中間地帯、ことに天龍川の流域などは、田....