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豊潤
「豊潤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
豊潤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
ことにその快活、その機智、その鋭い諷刺《ふうし》、無邪、諧謔《かいぎゃく》、
豊潤な想像、それらのたぐいまれな種々相にはさすがに異常な特殊の光が満ちている。む....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
。すべて僕の注文どおりだった。其の翌日、僕は、六ヶ月かかって発酵させたC子という
豊潤な美酒を、しみじみと味わったことだった。 こうして僕が味わった女の数は、百....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
苺の実 いずくにあるのでしょう いま―― 欲しいのですけれど……」 と、
豊潤な酒のような歌声が響いてくるのであった。――ジュリアは確かにいた。同じような....
「食魔」より 著者:岡本かの子
ある肉体になったように感ずる。心の底に押籠められながら焦々した怒ろしい想いはこの
豊潤な肉体に対し、いよいよその
豊潤を刺激して引立てる内部からの香辛料になったよう....
「碧眼托鉢」より 著者:太宰治
倍してすぐれ、(恥ずべきことに非ず。)画料、稿料、ひとより図抜けて高く売りつけ、
豊潤なる精進をこそすべき也。これ、しかしながら、天賦の長者のそれに比し、かならず....
「惜別」より 著者:太宰治
ように思われた。かえってもっと北方の盛岡、秋田などというあたりに、この東北地方の
豊潤な実勢力が鬱積されているのだが、仙台は所謂文明開化の表面の威力でそれをおさえ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ょうが、岩塩と、石灰岩層を貫いて流れている。しかも、その大盲谷二万マイルのうえは
豊潤な油層だ」 招かれざる女王 地下の大盲谷、暗黒の二万マイル。その存在....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
等はそれを邪魔と感ぜずに、一首全体の声調的効果として受納れねばならぬ。そうすれば
豊潤で太い朗かな調べのうちに、同時に切実峻厳、且つ無限の哀韻を感得することが出来....
「「草野心平詩集」解説」より 著者:豊島与志雄
心平さんにとって名誉なことだ。 知性と感性との渾然たる融合、鮮明なるイメージ、
豊潤奔放なる韻律など、心平さんの詩の特長は、そうやたらに存在し得るものではない。....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
とのあいだには、このうえなく微妙な相互作用がたえずはたらいているものらしく、彼の
豊潤の状態が私にとっていくぶん魅力になっていたことも争われない。これは、ひょっと....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
しい謹厳な描き方で一貫している、そして線描の落着いたしかも敏感な鋭さと没骨描法の
豊潤な情熱的な温かみとが巧みに織り成されて、ここにも一種の美しい交響楽が出来てい....
「地上」より 著者:島田清次郎
悪い蒼白な肉身も、夜の無限な魅力のうちに、エレキの白光に照らし出されては、一切は
豊潤な美とみず/\しさを現わすのである。くろぐろと宝玉のような光輝をもつ黒髪も美....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
民族の美の特質が如何に世界に於ける新らしい美の源泉として、今後の人類文化に匡正と
豊潤とを与うべきかをたずねてみよう。 埴輪の美 埴輪というのは上代古墳の....
「国境」より 著者:黒島伝治
睨み合って対峙している。 河は、海峡よりはもっと広いひろがりをもって海のように
豊潤に、悠々と国境を流れている。 対岸には、搾取のない生産と、新しい社会主義社....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
そしてそれと一緒に、職人的な巧みさがこのように美しいところにありうる地盤の芸術的
豊潤さを想像すればよいのである。 彫心鏤骨は『新古今集』の歌にふさわしい言葉で....