豪い[語句情報] » 豪い

「豪い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

豪いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
迷惑、と悪気は無い挨拶も、母様で、威儀で、厳粛で、窮屈な思いを、と云うから、何と豪いか、恐入ったろう、と極めつけるがごとくに聞える。 例の調子と知っているから....
春昼」より 著者:泉鏡花
だと申すのもあります。そうかと思うと、箔のついた芸娼妓に違いないと申すもあるし、豪いのは高等|淫売の上りだろうなどと、甚しい沙汰をするのがござって、丁と底知れず....
天守物語」より 著者:泉鏡花
た、投げた、嬉しい。そこだ。御家老が肩衣を撥ましたよ。大勢が抜連れた。あれ危い。豪い。図書様抜合せた。……一人腕が落ちた。あら、胴切。また何も働かずとも可いこと....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
きられると思ったのです。 公子 (聞きつつ莞爾とす)やあ、(女房に)……この女は豪いぞ! はじめから歎いておらん、慰め賺す要はない。私はしおらしい。あわれな花を....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
ら伝え聞いて申しておる。村越の御子息が、目のあたり立身出世は格別じゃ、が、就中、豪いのはこの働きじゃ。万一この手廻しがのうてみさっしゃい、団子|噛るにも、蕎麦を....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
のかね。」 「御推量でございます、そこじゃ、お前様。見えて半月とも経ちませぬに、豪い騒動が起ったのは、喜太郎様の嫁御がまた臨月じゃ。 御本家に飼殺しの親爺仁右....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
さりは、天保銭一つ使賃で、豆腐を買いに行くと言う。それも旅の衆の愛嬌じゃ言うて、豪い評判の好い旅籠屋ですがな、……お前様、この土地はまだ何も知りなさらんかい。」....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
……お前さんは不思議に、よく何か知っておいでだね、地獄、魔界の事まで御存じだね。豪いのね。でも悪魔、変化ばかりではない、人間にも神通があります。私が問うたら、お....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
られておいでじゃろ。私は早あんたが掌へ乗っかるような時の事から知っとるで、そこは豪いもの。顔を見るとちゃんと分ります。可愛がられると書いてある。」 快よからず....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
のが、艪の手を止めつつ、けろりで、合点の目色をする。 「漕げる? むむ、漕げる!豪いな、漕いで見せな/\。伯父さんが、また褒美をやるわ。 いや、親仁、何よ、お....
黒百合」より 著者:泉鏡花
と煽いでやりたいわねえ、滝さんお手柄。」 「馬鹿なことを謂ってらあ、何もこっちが豪いんじゃあねえ。島野ッてね、あのひょろ長え奴が意気地なしで、知事を恐がっていや....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
震の歌の、六ツ八ツならば大風から、七ツ金ぞと五水りょうあれ、を心得て口癖にする。豪いのは、旅の修行者の直伝とあって、『姑蘇啄麻耶啄』と呪して疣黒子を抜くという、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ございます。私あね、親孝行な奴が感心だというんじゃあねえんで、へい、不孝な奴でも豪いといいます。へい、盗人だって気に入るのがあるし、施をする奴に撲倒してやりたい....
式部小路」より 著者:泉鏡花
なさいまし、直そこが内だ、という二階家でさ。門札に山下賤、婆さんの本名でしょう。豪いな、というと、いや、御奉公をいたしております、御主人というのは? 旦那だか....
活人形」より 著者:泉鏡花
果てたる花の色、悩める風情を打視め、「どうだ、切ないか。永い年月よく辛抱をした。豪い者だ。感心な女だ。その性根にすっかり惚れた。柔順に抱かれて寝る気は無いか。と....