豪勢[語句情報] »
豪勢
「豪勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
豪勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
家を探すのがいいだろうと親切に云ってくれた。それで僕たちは、島の斜面に建っている
豪勢な洋館へ案内され、そこで三室ほど貸しあたえられた。なんでも森おじさんは、内地....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
年お流れの煙草に、パッと火をつけて貪るように吸って、黄色い声をあげる。 左様に
豪勢な(併し不思議な)人気を背負っている金青年の心は一体誰の上にあったかというと....
「蠅男」より 著者:海野十三
|兼喫煙室らしく、それと思わせるような什器や家具が並んでいた。なんにせよ、どうも
豪勢なものである。――若い警官は、相変らず彼の後について、室内へ入ってきた。 (....
「恐竜島」より 著者:海野十三
体は粉砕し、一団の火光になって四方へとびちったのであった。わずか数秒間のすこぶる
豪勢《ごうせい》な火の見世物として、附近の魚類をおどろかしたのを最後に、貨物船モ....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
「砲弾をいくらうちこんでも、一つだって穴が明きはしない」 「えええッ。そいつは
豪勢ですね。いや砲弾ばかりではない。空中からして、日本空軍のまきちらす重爆弾が雨....
「沈没男」より 著者:海野十三
りだ。只今、炊き出しを呉れるというから、これで一応報告を切る。こちらの炊き出しは
豪勢だ。七面鳥のサンドウィッチに、ウィスキーの角壜、煙草はMCCだ。 (×月×日....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、ええ、裟婆気な駕籠屋でした。」 「まったくだね、股引の裾をぐい、と端折った処は
豪勢だが、下腹がこけて、どんつくの圧に打たれて、猫背にへたへたと滅入込んで、臍か....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
当りで暖い所がある。さてと、ご苦労を掛けた提灯を、これへ置くか。樹下石上というと
豪勢だが、こうした処は、地蔵盆に筵を敷いて鉦をカンカンと敲く、はっち坊主そのまま....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、 「汝平民じゃあないか、平民の癖に、何だ。」 「平民だって可いや。」 「ふむ、
豪勢なことを言わあ。平民も平民、汝の内ゃ芸妓屋じゃあないか。芸妓も乞食も同一だい....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
をした時、何かのはずみに目を瞠って 「乃公達だって以前は――てめえよりゃよッぽど
豪勢なもんだぞ。人をなんだと思っていやがるんだえ」というくらいが勢一杯だ。 阿....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
もその真中からは大きな茶わかしが濛々たる湯気をまきあげている。いやはや、なんとも
豪勢なものだ。この饗宴にふさわしいほど述べ立てていたら、わたしは息もきれるし、時....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ュースとともに、いつしか今度は、I部落のAがそのあと目をつぎ、妾の四五人も置いて
豪勢にやっているという話が、村へひろまってしまったのだった。そして一流れ者の小忰....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
。 そのうしろ姿を見送りながら、次郎はぼそんと言った。 「なア、三郎公、掏摸テ
豪勢なもんやなア」 「うん」 と、三郎も相槌を打った。 「――いつでも美味いも....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
について揚屋町の裏の田町の方へ、紺足袋に日和下駄、後の減ったる代物、一体なら此奴
豪勢に発奮むのだけれども、一進が一十、二八の二月で工面が悪し、霜枯から引続き我慢....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
もちろん横浜は私にとって初めての土地である。波止場にあがって居留地を抜けその
豪勢なのにびっくりした。都会の騒音、めまぐるしい人の行き来の中へ私は夢心地ではい....