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豪壮
「豪壮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
豪壮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いと云われる降矢木家の建物が、明らかに重大な理由の一つとなっているのだった。その
豪壮を極めたケルト・ルネサンス式の城館を見慣れた今日でさえも、尖塔や櫓楼の量線か....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
道の岐れ道あり、そこにルックザックを置き、大天井頂上を極む。三角点にて万歳三唱、
豪壮なる穂高連峰、谷という谷に雪を一杯つめ、毅然とそびえたるを見、感慨無量なり、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
軋り、飛び違い馳せ違う調べ革の唸り。……それらの音を蔽い包み、何んとも云われない
豪壮の音が陰々鬱々と響いて来たが、これぞ恐らく水車へ注ぐ大瀑布の水音でもあろう。....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
軒かある別棟の家の、その一軒に客となっていた。 想像以上噂以上に、嘉門の屋敷が
豪壮であり、その生活が雄大なので、さすがの要介も胆を潰した。 いうところの大家....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
てどうするかと見ていると、簡単に俗臭紛々たる成金根性を発揮しだした。 上本町に
豪壮な邸宅を構えて、一本一万三千円という木を植えつけたのは良いとして、来る人来る....
「レコード蒐集」より 著者:兼常清佐
と――実際そんなものがあるかどうか知りませんが、――を持っているといえばいかにも
豪壮に聞えます。それでレコードはだんだん広く売れてゆきます。なにはともあれ、はな....
「簡潔の美」より 著者:上村松園
能楽の幽微で高雅な動作、その装束から来る色彩の動き、重なり、線の曲折、声曲から発する
豪壮沈痛な諧律、こんなものが一緒になって、観る人の心を打つのです。 その静かで....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の丁汝昌――川上の革新興行――白虎隊劇 「暫」と「助六」 十八年振りの「暫」――
豪壮華麗の舞台――八百蔵の清盛――「助六」――見物の忍耐力――堀川の猿 三人の死....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
いたのは四時頃であった。岩場の様子についてまったく知る所のなかった私たちは、その
豪壮な岩壁を見ると直ぐに、道から近くの所へ天幕を張った。谷川木谷の俎※で、大した....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たその奇観も一々いうに暇ないが、私の身体はそれほど疲労して居るにかかわらず精神は
豪壮を感ずるの情緒勃発し来りて真に愉快に堪えない。それがために自身の身体の苦しみ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
気何濠、喜望峰頭残月高、船入。 (阿南部のあかつきにケープタウンを望めばまことに
豪壮で、喜望峰の上には残りの月が高くかかる。船は西の湾に入り、さらに四囲をみれば....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
「それはヘロドトスの古|希臘伝説中の朴野な噴水からアグリッパの拵えた羅馬市中百五つの
豪壮な噴水、中世の僧院の捏怪な噴水、清寂な文芸復興期の噴水、バロッコ時代の技巧的....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
鮮な藍と白茶との群立だ。すばらしい空気の林。 なんとまた高いマストだろう。その
豪壮な、天に沖した金剛|不壊力の表現を見るがいい。その四方に斉整した帆綱の斜線、....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
変れるものではない。唯だ削り出された石の屑が所定めず漂積するに過ぎない。行く行く
豪壮の景を賞しながら、七時半釜沢の出合に達した。一時間半は懸ると思ったのが三十分....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
けあり、岩石露出登攀|反て困難ならず。十時四十五分、赤谷山頂上着。正面南に劒岳の
豪壮なる山容を仰ぐ。昼食後、午後十二時五十分、出発。二時、白萩山と赤兀との鞍部。....