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豹変
「豹変〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
豹変の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火の鳥」より 著者:太宰治
、引き受けた。女学校の寮から出て、また父の実家に舞いもどって、とたんに、さちよは
豹変《ひょうへん》していた。 十七歳のみが持つ不思議である。 学校からのかえ....
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
天才の特質のひとつだと言われていますけれど。その瞬間瞬間の真実だけを言うのです。
豹変《ひょうへん》という言葉がありますね。わるくいえばオポチュニストです。」 「....
「階段」より 著者:海野十三
人からも謂われ、自分としても、強い自信をもっていたのであった。何が僕を一朝にして
豹変せしめたか、そのキッカケは、大学三年のときに、省線電車「信濃町」駅の階段を守....
「食魔」より 著者:岡本かの子
。彼はせめて言葉附だけでもいかたものにしようと骨を折った。彼の取って付けたような
豹変の態度に、弱いものは怯えて敬遠し出した。強いものは反撥して罵った。「なんだ石....
「光の中に」より 著者:金史良
こで一先ず二人きりになるんだ)と私は自分に云い聞かせるのだった。彼がどうこれから
豹変するかは知らない。寧ろ又私を立ち所に裏切るには違いない。だが頑なにこちこちと....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ていたが、なかなかに打ち打擲はやむ色がないのです。 刹那! 下総男、すさまじい
豹変でした。 「さんぴん、よさねえなッ」 ダッと一躍、花道の上へ飛び上がると、....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
想も、はじめは幕府に反抗し、それから藩閥を糾弾し、次に官僚を攻撃している。君子は
豹変するという孔子の言葉も、こんなところを言っているのではないかと思う。支那に於....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
というのも、あれほど瑠美子を手懐けていた清川も、同棲生活が初まるとたちまち態度が
豹変して来たからで、それも彼ら二人の恋愛生活に幻滅を促した一つの原因であった。 ....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
調に進んだ。 共産主義から出発したアカグマ国は、途中でいつの間にか、帝国主義に
豹変し、今では、昔のスローガンとはまるで反対なものを掲げ、ことにイネ州においては....
「東京要塞」より 著者:海野十三
の同意なしには何一つやれないような事態となったと知るや、某大国はいちはやく態度を
豹変し、内面はともかくも表面的には中国に対する同情をひっこめ、そしてひたすら日本....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
本来の本質とした経済上の自由主義に立つ資本主義は、忽然として各種の国家主義にまで
豹変せざるを得ない。
併し之等の独占形態が出来上っても、資本主義的矛盾が、その....
「穴」より 著者:黒島伝治
ことのないあかの他人であるような意地悪く冷酷なところがあった。 こういう態度の
豹変は憲兵や警官にはあり勝ちなことだ。憲兵や警官のみならず、人間にはそういう頼り....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
とすると蟇におどかされたのかも知れないね。」 「まさか。」 「しかし、朝倉先生の
豹変ぶりは、とにかくおかしいよ。あれじゃあ、先生がいつも言っていた信念なんて、あ....
「花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
のことよ」 「ゲェッ」 赤まえだれのいちょう返し、虫も殺さぬ娘さんが、いきなり
豹変して、クルリと臀をまくり、腰の緋じりめんも色あざやか、レビューガールの脚もな....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
かりして居りましたが、それ俺の手際を見ろといわぬばかりの語気を示して居った。その
豹変の甚だしいには私も呆れたです。この時私はどこの国でも下の者に対してむやみに威....