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負目
「負目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
負目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
美顔水をつけて化粧してみても追っ付かないと諦めて、やがて十九になった。数多くある
負目の上に容貌のことで、いよいよ美津子に嫌われるという想いが強くなった。 ただ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ったので、豹一はうんざりし、かつ何か屈辱を感じていたのである。新入社員のみじめな
負目が皮膚にこびりつき、ひとびとの視線が何れも軽蔑の色を泛べているように大袈裟に....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
は身分のあるものでも教育のない婆さんだから仕方がない。単にこればかりではない。贔
負目は恐ろしいものだ。清はおれをもって将来立身出世して立派なものになると思い込ん....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
両親も聞いて見れば成る程|道理《もっとも》ですから、一つは濃紅姫の可愛さと親の贔
負目《ひいきめ》で、やっとの事それに定《き》めて両親揃って濃紅姫の室《へや》へ相....
「わが町」より 著者:織田作之助
。咄嗟の心構えがつかず、むしろ気恥かしく応待した。取り乱しては嗤われるかねがねの
負目で、嬉しい顔も迂濶に出来なかった。 客は小憎いほど落ち着いて、世間話のまく....
「黴」より 著者:徳田秋声
た。 「私だってこうしていてもつまらないから……。」 女も、母親や書生の前で、
負目を見せまいとした。その言い草が一層女の経歴について笹村に悪いヒントを与えた。....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
覚が鈍っているのであります。惚れた弱味や惚れない強味、先入主や後入主、自惚れや贔
負目、身の可愛さや子の可愛さなぞいう物質的や精神的な条件が、底も知れぬ位入れ交っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る自由行動を、未《いま》だ曾《かつ》て何人のために掣肘《せいちゅう》されるほどの
負目《おいめ》を持っていない米友が、なぜか、このお角さんばっかりを怖れます。 ....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
は人に恩を売ることが嫌いな人格者だから、わざと知らない風をして、周平に気持の上の
負目《おいめ》を与えまいとしたのだ。また、もし奥さんが内密でしたことならば、初め....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ずや選ばれた三人に特別の恩恵を施したことにならざるを得ない。この三人はそこで彼に
負目を感ぜざるを得ず、またその生活は彼れの御蔭であると感ぜざるを得ない。富者は自....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
の楽屋訪問といううれしがりのすることを、今おれもしているのだという意識が、信吉に
負目を感じさせているのかも知れなかった。 だから、冴子と視線を合わせることすら....
「新生の門」より 著者:林芙美子
装のわたくしを見て、そのひとたちは気持ちを悪くしやしないかしらと、わたしはそんな
負目《おいめ》さえ感じて、みんなをじろじろみる事がどうしても出来ない気持ちなので....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
夜はすこし兼好も勝手がちがって、どうも出鼻がまずかった。 助けられてこれへ来た
負目もあり、一別いらい、こよい久々で見た道誉は、さすが陣中の人らしく、うかとは、....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
た。咄嗟の心構えがつかず、むしろ気恥かしく応待した。取乱しては嗤われるかねがねの
負目で、嬉しい顔も迂濶に出来なかった。客は小僧いほど落着いて、世間話の冒頭をだら....
「放浪」より 著者:織田作之助
水をつけて化粧してみても追っ付かないと思い諦めて、やがて十九になった。数多くある
負目の上に容貌のことで、いよいよ美津子に嫌われるという想いが強くなった。 たゞ....