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財
「財〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
財の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《さわ》がしたと云う、腰の曲った紅毛人《こうもうじん》、妙国寺《みょうこくじ》の
財宝《ざいほう》を掠《かす》めたと云う、前髪の垂れた若侍、――そう云うのを皆甚内....
「河童」より 著者:芥川竜之介
たのです。それだけでも始末のつかないところへ僕の弟はその間《あいだ》におふくろの
財布《さいふ》を盗むが早いか、キネマか何かを見にいってしまいました。僕は……ほん....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
ような勢いで、私の前に、札《ふだ》をつきつけながら、
「さあ、引き給え。僕は僕の
財産をすっかり賭ける。地面も、家作《かさく》も、馬も、自働車も、一つ残らず賭けて....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
当年は梅雨《つゆ》が長いようです。」
「とかく雲行きが悪いんで弱りますな。天候も
財界も昨今のようじゃ、――」
お絹の夫も横合いから、滑かな言葉をつけ加えた。ち....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
讐は善と称し難いと云った。それから社会主義の某首領は蟹は柿とか握り飯とか云う私有
財産を難有《ありがた》がっていたから、臼や蜂や卵なども反動的思想を持っていたので....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
飽き飽きする程、素ばらしい心の持ち主である。のみならず彼女の服装とか、或は彼女の
財産とか、或は又彼女の社会的地位とか、――それらも長所にならないことはない。更に....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
た。(僕はいつも一人《ひとり》の人をその人としてだけしか考えられません。家族とか
財産とか社会的地位とか云うことには自然と冷淡になっているのです。おまけに一番悪い....
「運」より 著者:芥川竜之介
でも、思わず肚胸《とむね》をついたそうでございます。
「物にもよりますが、こんな
財物《たから》を持っているからは、もう疑《うたがい》はございませぬ。引剥《ひはぎ....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
なると、ボヘミアで、ココトと云う機織《はたお》りが、六十年以前にその祖父の埋めた
財宝を彼の助けを借りて、発掘する事が出来た。そればかりではない。千五百四十七年に....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
人の若者がありました。 若者は名を杜子春といって、元は金持の息子でしたが、今は
財産を費い尽して、その日の暮しにも困る位、憐な身分になっているのです。 何しろ....
「初雪」より 著者:秋田滋
根が陽気な質で、見るからに逞しい青年だった。 この縁談には彼女のあずかり知らぬ
財産目あての理由があった。本心が云えるものならば、彼女は「あんな人のところへ行く....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、生活改善のために科学の応用を教うる所」としてある。 しかし、その翌年には既に
財政困難に陥って維持がむずかしくなった。幸いにデビーが教授になったので、評判が良....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
つづけて一週間ずつ世話になっては、近所をめぐり歩いたのだが、そういうときに彼は家
財をまとめて、木綿のハンカチに包んで行ったものだ。 こういうことが彼の後援者た....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
げた。済むとまた上の学校に通わせた。この老婦人には子供がなかったので、持っていた
財産はそッくり彼のものになった。そして、ジャンのほうでも、生みの父母を探していた....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
た胴巻が巻きつけてありました。伊作は赤児の泣くのも耳に入らないと言うように、その
財布を取り上げて、片方の端を持って振り廻して見るとその中から小判がどっさり出て来....