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貧乏人
「貧乏人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貧乏人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
うごく》辺の知人《しりびと》の家をたずねました。この知人と云うのも、その日暮しの
貧乏人なのでございますが、絹の一疋もやったからでございましょう、湯を沸かすやら、....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
らば、彼らはいくら起っても国の益になりませぬ。ただただわずかに憲法発布式のときに
貧乏人に一万円……一人に五十銭か六十銭くらいの頭割をなしたというような、ソンナ慈....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
生活をかく考えることはどうしても出来ない。基督は与えることを苦痛とするような愛の
貧乏人では決してなかったのだ。基督は私達を既に彼の中に奪ってしまったのだ。彼は私....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
いうのはよほどおかしい話である。しかしここがお互いに解しがたいことであるらしい。
貧乏人の子だくさんというようなことも、僕の今の心理状態と似よった理由で解釈される....
「文明国には必ず智識ある高等遊民あり」より 著者:内田魯庵
好いか、智識ある高等の遊民の方が好いかと言えば云うまでもない高等遊民が好い、同じ
貧乏人でも、無智で低級で下等な奴よりは、智識ある高等な
貧乏人の方が好いのである。....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
人達に、私共は恥ずかしくて犬にしか出してやれないようなものを食べさせながら、彼は
貧乏人の味方の主義を「説いて」聞かすのです。他の同志や私などが、あまりひどい御馳....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
らだ。ひくひくせずと堪えくされ。雪女が寒いと吐すと、火が火を熱い、水が水を冷い、
貧乏人が空腹いと云うようなものだ。汝が勝手の我ままだ。」 「情ない事おっしゃいま....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
しろいことを、死んだ人たちは知っていたのです。カレンは、にがよもぎが生えている、
貧乏人のお墓に、腰をかけようとしました。けれどカレンは、おちつくこともできなけれ....
「薬」より 著者:井上紅梅
めたものであるが、自然の区切りとなり、道を境に左は死刑人と行倒れの人を埋め、右は
貧乏人の塚を集め、両方ともそれからそれへと段々に土を盛り上げ、さながら富家の祝い....
「故郷」より 著者:井上紅梅
御大層だ。こんな我楽多道具なんか要るもんかね。わたしに譲っておくれよ、わたしども
貧乏人こそ使い道があるわよ」 「わたしは決して金持ではありません。こんなものでも....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
の鞭に打たれたことを、怨む気色さえも見せないのです。大金持になれば御世辞を言い、
貧乏人になれば口も利かない世間の人たちに比べると、何という有難い志でしょう。何と....
「瘤」より 著者:犬田卯
、肥料と申せば分析表ばかり立派で……まア、それもいいが現金販売ときては、われわれ
貧乏人にゃ手が出めえ。」 「改革しなくちゃ駄目だ、あれでは……」と言ったものがあ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、性来珍らし物好きであったから画名を売るよりは博覧会が珍らしかったのである。俺は
貧乏人だから絹が買えないといって、寒冷紗の裏へ黄土を塗って地獄変相図を極彩色で描....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の役にも立たないと頭から蔑しつけ、下等女の阿婆摺を活動力に富んでると感服したり、
貧乏人の娘が汚ない扮装をして怯めず臆せず平気な顔をしているのを虚栄に俘われない天....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
争議はぜいたくといい、中小企業者は死んで行ってもしかたがない、金持ちは米を食って
貧乏人は麦を食え、といったような性格の吉田内閣によっては、とうてい望みがたいもの....