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貧血症
「貧血症〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貧血症の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ゼーロン」より 著者:牧野信一
いる。怖ろしい山径をたどった後にここに差しかかる頃には誰しも山の陰気に当てられて
貧血症に襲われるところからかかる迷信的な挿話が伝っているのだろうが、実際私達にし....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
健康な金持ちでなければできない、それに文化的の設備が入用である。これに反して夏は
貧血症の貧乏人の楽園であり自然の子の天地である。 涼味 涼しいという....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
格が駄目だから、身体検査で落第して血の池へ落されることでしょう。娑婆にいた時には
貧血症だったから、さてここで血を飲んで大変立派な人とならぬとも限らない。まったく....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。マアマアと皆びっくりした、よくこんなのでわかしたお湯をのんでいた、と。でも鉄は
貧血症の薬だから、うちの人は皆貧血はしないでいいだろう、と大笑い。蕗はお母さんと....
「箱根熱海バス紀行」より 著者:寺田寅彦
い代りに、下り坂は奔馬のごとくスキーのごとく早いので、二度に一度は船暈のような脳
貧血症状を起こしたものである。やっと熱海の宿に着いて暈の治りかけた頃にあの塩湯に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
敵であるはずだった。
彼は自分の熱情に眼を眩《くら》まされていた。霧のために、
貧血症に罹《かか》ってる虚偽のために、「太陽のない幽鬼的観念」のために、凍らされ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ったり、まだ明け切らぬ海上を照らす浮き灯台の点滅光をわびしげに眺めながら、かねて
貧血症の唇を紫色にし、毛を※《むし》られたクリスマスの七面鳥のように、全身を鳥肌....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
対する苦辛感嘆をいよいよ益々深くした。 三十六年、支那から帰朝すると間もなく脳
貧血症を憂いて暫らく田端に静養していた。病気見舞を兼ねて久しぶりで尋ねると、思っ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
洩らした述懐であった。 北京から帰朝したのは三十六年の七月で、帰ると間もなく脳
貧血症に罹って田端に閑居静養した。三十七年の春、日露戦争が初まると間もなく三月の....